2014年12月24日
ロストロポーヴィチ&ブリテンのシューベルト:アルペジオーネ・ソナタ、シューマン 民謡風の5つの小品、ドビュッシー:チェロ・ソナタ[SACD]
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次元が異なる超高音質SACDの登場を大いに歓迎したい。
本盤に収められた演奏は、カザルスと並ぶ20世紀最大のチェリストであったロストロポーヴィチと、20世紀を代表する作曲家の1人であるブリテンによる歴史的な超名演だけに、既にSACDハイブリッド盤やSHM−CD盤などが発売されてきたが全く問題にならない。
本盤では、既発のCDでは聴き取ることが難しかったロストロポーヴィチのチェロの細かい弓使いなどが鮮明に再現されるとともに、特に、チェロの低音域に一本太い芯が通ったような力強さが加わったことが何よりも大きい。
これによって、ロストロポーヴィチのスケールの大きい卓越した至芸を、望み得る最高の音質で味わうことが可能になったと言える。
他方、ブリテンのピアノの音色は、やや籠りがちな箇所も散見されるが、それでも既発CDと比較すると格段に音の鮮度が増しており、とりわけ高音域がクリアに聴こえるのが素晴らしい。
演奏は、息の合った盟友どうしの歴史的な名演奏であり、いずれの楽曲も史上最高の名演と言える。
ロストロポーヴィチのチェロは、重量感溢れる低音から抒情豊かな高音に至るまで表現力の幅は桁外れに広く、シューベルトのアルぺジオーネ・ソナタに込められた寂寥感や、民謡風の5つの小品が内包するシューマン最晩年の絶望感に苛まれた心の病巣を切れ味鋭く描出している点を高く評価したい。
他方、ドビュッシーのチェロ・ソナタでは、同曲独特の瀟洒な味わいの描出にもいささかの不足はない。
ブリテンのピアノも、こうしたロストロポーヴィチの彫りの深い表現をしっかりと下支えしているのが素晴らしい。
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