2014年11月18日
松田理奈のイザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
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イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタは、技術的にも、そして、その内容を豊かに表現するという意味においても、稀に見る難曲である。
まさに、イザイが模範としたバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ同様の難しさがあり、近年のヴァイオリニストも、バッハとともに、このイザイのソナタに挑戦する者が増えてきている傾向にある。
とは言っても、若手のヴァイオリニストが、イザイのソナタに挑戦するというのは正気の沙汰ではなく、その意味でも、松田理奈は、凄いことをやってのけたと考える。
ライナー・ノーツの解説によれば、松田は、イザイに幼いころから慣れ親しんできたとのことであるが、それにしても、今般の全曲録音は快挙と言える。
そして、演奏も素晴らしい。
録音の良さを考えると、同曲のトップの座を争う名演と評価してもいいのではないだろうか。
卓越した技量もさることながら、松田は、この変化の激しい各曲の描き分けが実に巧み。強弱も、そして緩急自在のテンポの変化も、よくぞここまで完璧に表現することができたものだと感心してしまう。
それでいて、音楽の流れを損なうことはいささかもなく、ゆったりとした気持ちで、イザイのソナタを満喫することができるのが素晴らしい。
抒情的な箇所の調べは、女流ヴァイオリニストならではの繊細な美しさに満ち溢れている。
松田は、まだ20歳代半ば。
本盤のような名演を聴くと、彼女の前途洋々たる将来性を感じずにはいられない。
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