2023年02月05日
🦸🏻最高の協奏曲指揮者との協演によりℹ️詩情溢れる実に情感豊かなピアノを披露🎹ポリーニ&アバドのシューマン&シェーンベルク:ピアノ協奏曲👏
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ポリーニのピアノの評価の前に、アバドについて言及しておきたい。
アバドは、私見であるが、これまでの様々な名指揮者の中でも、最高の協奏曲指揮者と言えるのではなかろうか。
これは、指揮者としては必ずしも芳しい評価とは言い難いが、これまでのアバドの協奏曲演奏における実績に鑑みれば、そうした評価が至当であることがわかろうというものである。
例えば、チャイコフスキーやラヴェル(旧盤)におけるアルゲリッチとの共演、ブラームスの第1番、第2番におけるブレンデルとの共演など、各楽曲におけるトップの座を争う名演の指揮者は、このアバドなのである。
この他にもポゴレリチなど、様々なピアニストと名演を成し遂げてきているが、共演の数からすれば、本盤のポリーニが群を抜いていると言えよう。
ただ、ポリーニとの共演が、すべて名演になっているかと言うと、必ずしもそうではないと考える。
同じイタリア人でもあり、共感する部分もあるかとも思うし、ポリーニの詩情に乏しいピアノのせいも多分にあるとは思うが、ベートーヴェンやブラームスの全集など、イマイチの出来と言わざるを得ない。
しかしながら、本盤は名演だ。
その第一の要因は、アバドの気迫溢れる指揮と言わざるを得ない。
本盤の録音は、ベルリン・フィルの首席指揮者選出直前の指揮でもあり、アバド、そしてベルリン・フィルの演奏にかける情熱や生命力の強さが尋常ではないのだ。
アバドは、ベルリン・フィル着任後、大病を患うまでの間は、生ぬるい浅薄な演奏に終始してしまうが、本盤の指揮で見せたような気迫を就任後も持ち続けていれば、カラヤン時代に優るとも劣らない実績を作ることができたのにと、大変残念に思わざるを得ない。
指揮やオーケストラがこれだけ凄いと、ポリーニのピアノも断然素晴らしくなる。
シューマンにおいては、ポリーニの根源的な欠点である技術偏重の無機的な響きは皆無であり、アバドの指揮の下、詩情溢れる実に情感豊かなピアノを披露している。
シェーンベルクにおける強靭な打鍵も、技術的な裏打ちと、ポリーニには珍しい深い精神性がマッチして、珠玉の名演に仕上がっている点を高く評価したい。
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コメント一覧
1. Posted by 小島晶二 2023年02月05日 20:38

2. Posted by 和田大貴 2023年02月05日 20:50
ポリーニのシューマン/ピアノ協奏曲は最も条件のそろった名演で、鮮明なタッチと曇りのない歌心の中から誠に美しい詩情と振幅の大きな表現を浮かび上がらせています。完璧なテクニックをうならせた彼の演奏は、ゆるぎない造形的美観の把握や緊迫した集中力の持続が見事なだけでなく、美しいカンティレーナの魅力にも溢れており、そこではほとんど文句のつけようがない成果が実現されています。全体にやや遅めのテンポで、ポリーニのタッチはいつものように透徹した響きを持ち、ひとつひとつのフレーズを明快に浮かび上がらせ、それでいてダイナミックスの幅は非常に広く、解釈はアバドともども極めて知的で強靭な意志に貫かれています。この曲があまりすぐれた演奏に恵まれないのは、ソリストと指揮者の協調がむずかしいためでしょう。ソロは良くても指揮がもうひとつだったり、その逆も案外多い中でアバドの指揮によるポリーニが傑出しているのは、アバドが作品を的確にとらえてソリストの個性に鋭く反応しているからで、ポリーニの輝かしい情熱と豊かな詩情を見事に生かしきっています。