2014年11月15日

ラトル&ベルリン・フィルのベルリオーズ:幻想交響曲、カンタータ「クレオパトラの死」


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アバドの後を追ってベルリン・フィルの第6代芸術監督に2002年に就任したラトルであるが、就任から5年間ほどは、名うての猛者たちを統率することがままならず、新機軸を打ち出そうという気負いだけが空回りした凡庸な演奏を繰り返した。

これは、アバドと同様であり、ベルリン・フィルの芸術監督就任前の方が、よほど素晴らしい演奏を成し遂げていたとも言えるところだ。

しかしながら、本盤の1つ前の録音であるマーラーの交響曲第9番あたりから、漸くラトルならではの個性が発揮された素晴らしい名演を成し遂げるようになった。

芸術監督に就任してから5年を経て、漸くベルリン・フィルを統率することができるようになったことであろう。

本盤に収められたベルリオーズの幻想交響曲、そしてカンタータ「クレオパトラの死」も、ラトルがベルリン・フィルを巧みに統率して、自らの個性を十二分に発揮し得た素晴らしい名演に仕上がっていると高く評価したい。

幻想交響曲については、第1楽章冒頭から途轍もない気迫が漲っている。

主部に入ってからも、テンポの振幅や強弱の変化を大胆に駆使して、熱き生命力に満ち溢れたドラマティックな演奏を行っている。

ベルリン・フィルの管楽器奏者の巧さにはただただ舌を巻くのみである。

第2楽章の格調の高い音楽は、ラトルが単なる勢い一辺倒の無内容な演奏をしていない証左とも言える。

第3楽章は、静寂が漂う音楽であるだけに、全楽章の中での存在感を発揮させるのが難しい楽章であるが、ラトルの場合は、ベルリン・フィルの卓越した奏者たちを見事に統率して、実にコクのある音楽を醸成させている。

第4楽章は、冒頭はあまり調子が出ない(反復も忠実に実施)が、徐々に調子を上げていき、終結部においては、ベルリン・フィルの圧倒的な合奏力に物を言わせて、途轍もない迫力に満ち溢れた豪演を成し遂げている。

終楽章は、ベルリン・フィルの猛者たちの技量は筆舌には尽くし難いところであり、これらの手綱を引き締めて見事な音のドラマを構築し得たラトルの指揮者としての円熟ぶりも特筆すべきであろう。

カンタータ「クレオパトラの死」も、ベルリン・フィルを巧みに統率した名演であるが、ソプラノのスーザン・グラハムの名唱も、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。

音質は、初回生産限定ではあるがHQCD化が図られることによって十分に良好な音質であり、いずれにしても、ラトル&ベルリン・フィルの名コンビが漸く軌道に乗った素晴らしい名演を高音質HQCD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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