2014年11月23日

児玉桃のメシアン:幼子イエスにそそぐ20の眼差し[SACD]


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メシアンの幼子イエスに注ぐ20のまさざしは、決して親しみやすい曲とは言えず、いかにも難解な現代のピアノ独奏曲だ。

約2時間にも及ぶ長大さが、更にその難解さを助長していると言えるが、児玉桃の手にかかると、その難解さが相当に緩和される。

一見するとバラバラに見える各楽曲が実に有機的に関連性の高いものであることをよく理解することができるのだ。

これは、2002年の演奏会で本曲を絶賛されて以来、メシアンのスペシャリストとの評価を上げ続けてきた児玉桃が、この複雑怪奇な同曲を深く理解しているからにほかならない。

20の各楽曲の1つ1つは、全体としては関連し合ってはいるものの、それぞれ大きく性格を異にしているが、児玉桃は、実に繊細にして抒情豊かなタッチで、巧みに各楽曲の描き分けを行っている。

卓越した技量は持ち合わせているのだろうが、決してそれをひけらかすのではなく、表面的な技量よりは、曲の内容を深く掘り下げようという姿勢が窺えるのが素晴らしい。

児玉桃の奏でる美しい音色は、音符1つ1つに、メロディ1つ1つに、生命を宿らせて、音の官能、生の喜びを、丁寧にそして大胆に紡いでいき、児玉桃の大いなるピアニズムを感じずにはいられない。

さらに、本盤で忘れてはならないのは、録音が極上であるということ。

SACDマルチチャンネルによる鮮明な音質が、メシアンが同曲に盛り込んだ多種多様な要素のすべてを再現するのに多大な効果を発揮している。

本盤は、演奏、録音のすべてにおいてハイレベルの仕上がりであり、おそらくは、現在入手できる同曲のCDの中では、最高の名演と言っても過言ではないと思われる。

児玉桃が、その録音直前までレッスンを受け続けた、この曲の初演者であり、メシアンの妻でもあるイヴォンヌ・ロリオがライナー・ノーツを執筆しており、その解説内容も興味深い。

既に高い音楽性を持つ児玉桃の、今後のさらなる発展にも大いに期待したい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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