2022年06月25日
メゾのバルトリとオリジナル楽器のオケがマッチ😲指揮も録音も優秀👍3拍子揃ったオペラ全曲盤👉ベッリーニ:歌劇『夢遊病の女』
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ピリオド楽器による世界初録音であるとか、主役のアミーナにメゾソプラノを起用した原典版であるとか、本盤にはさまざまなポイントがあるが、そのようなことを度外視しても、十分に存在価値のある優れた名演である。
最近では、オペラの新譜などきわめて稀少な存在になりつつあるが、そのような中にあっては、なおさら燦然と輝く金字塔とも言える。
今日、アミーナ役は、高音域のコロラトゥーラ・ソプラノによって歌われることが、ほぼスタンダードになっているが、当初、作曲者は、メゾの声を意識して書いたもの。
ここでの演奏は、初演当時に近い楽器を使い、楽譜もなるべくオリジナルに沿っている。
何よりも、主役であるアミーナのバルトリと、エルヴィーノのフローレスの若きコンビが最高のパフォーマンスを示しているのが見事である。
今をときめく両者の共演は本盤が初めてと言うが、そうとは思えないほどの息のあった名コンビぶりだ。
特に、第1幕の二重唱は絶美の美しさで、これぞイタリアオペラの真髄を思い知らされるようだ。
また、アミーナがメゾであることも、とても新鮮だ。
バルトリは高度なテクニックも持っているし、表現力も素晴らしく、歌に込める情感が凄い。
こういう『夢遊病の女』も充分に通用する。
エルヴィーノのフローレスのベルカントが素晴らしいのは勿論だし、他の歌手陣では、ロドルフォ伯爵のダルカンジェロの歌唱が重厚な味を見せており、威厳すら感じさせる素晴らしい歌唱、アレッシオのカールマンのナンパぶりもなかなかのものだ。
これからコロラトゥーラ・ソプラノやカラスがアミーナの『夢遊病の女』と、このバルトリの『夢遊病の女』どちらも愛聴していくことになると思う。
指揮者については、筆者もあまり情報を持ち合わせていないが、本盤の見事な演奏を聴く限りにおいては、力量にいささかの不足もない。
オーケストラや合唱団も素晴らしい演奏を行っており、本盤の価値をより一層高めることに貢献している。
結果として、オリジナル楽器のオケとバルトリのメゾは良くマッチしており、指揮も録音も優れていて、このように3拍子揃ったオペラ全曲盤は久し振りであった。
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