2014年11月25日

デュトワ&モントリオール響のレスピーギ:ローマ3部作、他


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デュトワとモントリオール交響楽団は、多彩な管弦楽法を駆使した『ローマ3部作』を完璧に再現し、壮麗な演奏を展開している。

『ローマ3部作』のような標題音楽の演奏に抜群の手腕を発揮するデュトワが、極めて色彩豊かに再現している。

極めて淡彩なエレガントこの上ない繊細さと圧倒的な迫力を併せ持つ稀有の名演で、デュトワの鋭い感性と練達の手腕は、ここでも見事に発揮されている。

例えばギラギラと壮大で迫力満点のものがお好みなら、この演奏は向かないが、そうした力技ではなく、繊細でカラフルな美しさを求めるのなら、これは恰好の1枚である。

ムーティのようにゴリゴリと盛り上げるのではなく、微妙なニュアンスを大切にした色彩の変化が魅力的だ。

ムーティよりさらに感覚的な音の喜びが感じられるし、演奏も一段ときめ細かく、また仕上がりが丁寧で、美しい。

さながらイタリアのラヴェルのような響きのする美しいレスピーギで、ムーティが油絵なら、洗練の極みを聴かせるデュトワはパステル画である。

やはりデュトワ流ではあるが、この『ローマ3部作』にはそうした響きへのこだわりが書き込まれているのも事実だ。

デュトワはオケの力を色彩的に華やかに展開するだけでなく、スコアにあるソロイスティックな要素を含めてパレットの豊かさやニュアンスの濃さ、R=コルサコフ風の併行するリズムの効果なども的確に描き出し、さらにR.シュトラウスにも匹敵するようなオーケストラルな対位的書法をも、極めて適切なバランスによって巧妙に彫琢している。

《ローマの松》の〈ジャニコロの松〉や《ローマの祭り》の〈十月祭〉、《ローマの噴水》の〈トリトーネの噴水〉などでは繊細さを際立たせるなど、いかにもデュトワならではの独壇場といった趣きであるが、他方、《ローマの松》の〈アッピア街道の松〉や、《ローマの祭り》の〈主顕祭〉のド迫力も聴き手のドキモを抜くのに十分である。

デュトワは暑苦しい喧噪や凶暴さのなかにも、涼しげで精妙な繊細さや多彩な音色を描き切っており、まさに耳の勝利である。

もとよりオケが野蛮なほど咆哮する部分の多い作品ではあるが、むしろ《ローマの噴水》に象徴されるように、静謐かつ繊細な室内楽的テクスチュアの美しさにこそ真の魅力があるように思われる。

デュトワとこの『ローマ3部作』の抜群の相性の良さを感じるが、それを見事に描出して見せたモントリオール交響楽団の合奏力も高く評価すべきだと思う。

特に、わざわざ最後にもってきている《ローマの噴水》は、実に見事な演奏で、録音もずば抜けている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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