2014年12月03日

ラトル&ベルリン・フィルのハイドン:交響曲集(第88番「V字」〜第92番「オックスフォード」&協奏交響曲)


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本盤の演奏は、ラトルがベルリン・フィルの芸術監督に就任後、2008年のマーラーの交響曲第9番の登場までの間、鳴かず飛ばずの状態にあった中では、最高峰の名演と言えるのではないだろうか。

ラトルも、世界最高峰のオーケストラを手中におさめた後は、当然、クラシック音楽ファンの厳しい視線にさらされたこともあって、それを過剰に意識したせいか、演奏に気負いが見られたところである。

その気負いが、自らの指揮芸術の軸足にフィットしたもの(最近のラトルはそうである)であれば、いわゆるラトルの個性が全面的に発揮した名演ということになるのであろうが、そうでない場合には、奇を衒ったわざとらしさ、あざとさだけを感じさせる凡庸な演奏に陥ってしまうことになる。

ラトルの当時の演奏は、まさにそれに該当するところであって、芸術監督就任お披露目公演のマーラーの交響曲第5番、ブルックナーの交響曲第4番、シューベルトの交響曲第9番など、死屍累々の山。

どうなることかと心配していたところ、前述のマーラーの交響曲第9番で奇跡的な逆転満塁ホームランを放つのであるが、本盤のハイドンの交響曲集は、不調をかこっていた時代にまぐれであたったクリーンヒットのような趣きがある。

そうなった理由は、楽曲がハイドンの交響曲であったということにあると思われる。

ハイドンの交響曲は極めてシンプルに書かれているが、それだけに様々な演奏スタイルに堪え得るだけの懐の深さを湛えている。

モーツァルトの交響曲との違いは、まさにその点にあるのであって、仮に、ラトルがモーツァルトの交響曲集の録音を行っていたとすれば、間違いなく凡打をもう1本打ったことになったであろう。

それにしても、これほどまでにハイドンの交響曲を面白く、そして楽しく聴かせてくれる演奏は他にあったであろうか。

もちろん、ピリオドオーケストラを起用しての演奏には、インマゼールやノリントン、ブリュッヘンなどの名演が存在しているが、大オーケストラを起用しての演奏としては、他にあまり類例を見ないものと思われる。

そして、本演奏の場合は、ラトルの思い切った解釈がいささかもあざとさを感じさせず、気高い芸術性に裏打ちされているというのが素晴らしい。

ベルリン・フィルの首席奏者とともに演奏した協奏交響曲も見事であり、いずれにしても、本演奏は、ハイドンの交響曲を得意としてきたラトルならではの素晴らしい名演と高く評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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