2014年12月12日

リヒテル&マゼールのブラームス:ピアノ協奏曲第2番


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



リヒテルとマゼールは、バルトークのピアノ協奏曲第2番とプロコフィエフのピアノ協奏曲第5番という近現代を代表する両ピアノ協奏曲において圧倒的な名演を成し遂げたが、本盤に収められたブラームスのピアノ協奏曲第2番というロマン派を代表する名作においても見事な演奏を行っている。

これらのスタジオ録音は、当時の鉄のカーテンの向こう側の盟主国であった旧ソヴィエト連邦から忽然とあらわれた偉大なピアニスト、リヒテルが様々な西欧の大手レコード会社に録音を開始した上げ潮の頃の演奏である。

指揮者は、当時、鬼才とも称されたマゼール。

当時のマゼールは、切れ味鋭いアプローチで現代的とも言うべき数々の演奏を行っており、その強烈な個性が芸術性の範疇にギリギリおさまるという、ある種のスリリングな演奏を展開していたところである。

マゼールに対して厳しい批評を行っている音楽評論家も、この時期のマゼールの演奏に対しては高く評価するほどの芸術性に裏打ちされた超個性的な演奏を行っていたとも言えるところだ。

そして、こうした上げ潮にのったリヒテルと鬼才マゼールの組み合わせによって、どれほど個性的な演奏が生み出されるか期待するクラシック音楽ファンも多いと思うが、これが意外にも正攻法のオーソドックスとも言うべき演奏を展開している。

リヒテルは超絶的な技量と持ち味である強靭な打鍵を駆使しつつも、非常にゆったりしたテンポで曲想を精緻かつ濃密に描き出している。

力任せの一本調子にはいささかも陥ることなく、両曲に込められたブラームスの枯淡の境地とも言うべき美しい旋律の数々を、格調の高さを損なうことなく情感豊かに歌い抜いているのも素晴らしい。

そして、演奏全体のスケールの雄大さは、ロシアの悠久の大地を思わせるような威容を誇っていると言えるところであり、これぞまさしくリヒテルの本演奏におけるピアニズムの最大の美質と言っても過言ではあるまい。

こうした圧倒的なリヒテルのピアノ演奏に対して、鬼才マゼールの合わせ方も見事。

同曲は、ピアノ独奏付きの交響曲とも称されるほどにオーケストラ演奏が分厚く作曲されており、オーケストラ演奏のみの箇所も多いが、マゼールは自我を徹底して抑制し、この当時のマゼールには珍しいほど、音楽そのものを語らせる演奏に徹していると言えるところだ。

このようにマゼールが、リヒテルのピアノ演奏に合わせることによって、同曲演奏史上でも最もスケール雄大な名演に繋がっていることになったものと思われる。

いずれにしても、本盤の演奏は、リヒテルとマゼールという個性的な天才どうしが成し得た圧倒的な名演と高く評価したい。

音質は、1969年のスタジオ録音であるが、リマスタリングがなされたことによって、従来CD盤でも比較的満足できる音質である。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 22:33コメント(0)トラックバック(0)リヒテル | マゼール 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ