2014年12月13日

リヒターのモーツァルト:レクイエム[SACD]


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モーツァルトのレクイエムについては、近年ではジュスマイヤー版の編曲による壮麗な演奏が主流ではなくなり、他の編者の版によるもの、そしてピリオド楽器やピリオド奏法を駆使した軽妙な演奏が多く行われるようになってきている。

時代考証的な見地からすれば、確かにそうした演奏は正鵠を射ているのかもしれない。

そして、モーツァルトを研究する学者からすれば、非常に評価の高い演奏と言えるのかもしれないが、果たして大方のクラシック音楽ファンを感動させる演奏がどれくらい存在しているのであろうか。

モーツァルトの数多くの楽曲の中でも、レクイエムは多分に未完成であったことにも起因しているとは思うが、作曲者の慟哭が聴こえる異色作ではある。

どんなに悲しい時であっても、楽想は寂しげに微笑んでいるのがモーツァルトの楽曲の美質であったが、レクイエムだけはあからさまに嘆き悲しんでいると言えるだろう。

いや、生涯の最後に、モーツァルトは自らの本音を曝け出したとも言えるのかもしれない。

それだけに、私見ではあるが、レクイエムの真の魅力を引き出すためには、小手先だけの演奏では不可能ではないのか。

近年主流のピリオド楽器やピリオド奏法を駆使した軽妙浮薄な演奏では到底真の感動は得られないと言うべきであろう。

そのような中で、同曲のジュスマイヤー版を使用した壮麗かつ重厚な代表的な演奏として、ベーム&ウィーン・フィルほかによる超名演(1971年)が存在しているのであるが、本盤に収められた全盛期のリヒターによる1960年の演奏も、その前座に位置する素晴らしい名演と評価したいと考える。

ミュンヘン・バッハ管弦楽団による演奏だけに、ウィーン・フィルによる演奏と比較すると、若干ではあるが重厚さに欠けるが、演奏全体の引き締まった造型美やただならぬ緊迫感は、聴きようによっては本演奏の方が上とも言えるところだ。

本演奏の当時は、リヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団は、マタイ受難曲をはじめとした歴史に残るようなバッハの楽曲の超名演を成し遂げていた時期でもあり、本演奏には、そうしたモーツァルトの大先達であるバッハの偉大な宗教曲の片鱗を感じさせるような峻厳さと崇高さが備わっていると評しても過言ではあるまい。

マタイ受難曲などで圧倒的な名唱を披露してくれたミュンヘン・バッハ合唱団は、本演奏でも圧倒的な合唱を展開しており、4名の独唱者ともども最高のパフォーマンスを発揮していると高く評価したい。

音質は、1960年のセッション録音ではあるが、今般、ついに待望のSACD化が行われることになり、見事は音質に生まれ変わったと言える。

さすがに録音年代が古いだけにテープヒスが気にならないわけではないが、音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても超一級品の仕上がりであると言えるところだ。

いずれにしても、リヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団ほかによる素晴らしい名演を高音質SACDで味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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