2014年11月27日
コルボ&ローザンヌ声楽器楽アンサンブルのフォーレ:レクイエム[SACD]
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フォーレのレクイエムはコルボの代名詞と言っても過言ではない楽曲であるが、本盤は、ローザンヌ声楽器楽アンサンブルを率いて来日したときの、コルボ71歳の誕生日の演奏会を収録したディスクである。
コルボ得意の演目で、同曲を深く愛するとともに、その内容を知り尽くしているコルボによる演奏だけに、その比類ない美しさに会場が異様な感動に包まれたかのようであり、有名なエラート盤に匹敵する名演と言えよう。
フォーレのレクイエムは、いわゆる3大レクイエムの中でも最も静謐さを信条とする作品である。
それ故に、モーツァルトやヴェルディのレクイエムにおいて比類のない名演を成し遂げた大指揮者が、同曲を一切演奏・録音しないケースも散見される(カラヤン、ショルティなど)が、それだけ同曲の演奏には困難が伴うと言えるのではないだろうか。
オーケストラパートは極めて慎ましやかに作曲されていることから、同曲においては、静謐にして崇高な世界をいかに巧みに描出できるのかにその演奏の成否がかかっていると言えるだろう。
コルボの同曲へのアプローチは、他の録音も含めて、楽想を精緻に丁寧に描き出していくというものだ。
奇を衒ったところは皆無であり、音楽そのものを語らせるという真摯かつ敬虔な姿勢に徹しているとさえ言える。
もっとも、一聴すると淡々と流れていく各フレーズの端々には、独特の細やかな表情づけや万感の思いを込めた情感が滲み出しており、コルボの同曲への傾倒と深い愛着の気持ちを感じることが可能だ。
同曲の名演としては、クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団ほかによる歴史的な名演(1962年)が随一のものとして掲げられるが、本盤に収められた演奏は、同曲の静謐な崇高さをより極めたものとして、クリュイタンス盤と並ぶ至高の超名演と高く評価したい。
音質は、従来盤でも比較的満足できる音質であったが、今般、ついに待望のSACD化が行われることになった。
静謐な同曲の魅力が見事に再現されることになっており、音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても超一級品の仕上がりである。
いずれにしても、ミシェル・コルボによる至高の超名演を高音質SACDで味わうことができるのを大いに喜びたい。
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