2014年11月28日

ロストロポーヴィチ&カラヤンのドヴォルザーク:チェロ協奏曲、チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲[SACD]


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ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、チェロ協奏曲の王様とも言うべき不朽の名作であり、それ故に古今東西の様々なチェリストがこぞって演奏・録音を行ってきた。

それだけに、名演には事欠くことはなく、本稿にも書ききれないほどの数多い名演が存在している。

カザルスと並んで20世紀最大のチェリストと称されたロストロポーヴィチも、同曲の録音を繰り返し行っており、ターリッヒ&チェコ・フィルとの演奏(1952年)を皮切りとして、ハイキン&モスクワ放送交響楽団との演奏(1956年)、カラヤン&ベルリン・フィルとの演奏(1968年(本盤))、ジュリーニ&ロンドン・フィルとの演奏(1977年)、そして小澤&ボストン交響楽団との演奏(1985年)の5度にわたってスタジオ録音を行っている。

その他にもライヴ録音も存在しており、これは間違いなくあらゆるチェリストの中でも同曲を最も多く録音したチェリストではないだろうか。

これは、それだけロストロポーヴィチが同曲を深く愛するとともに、満足できる演奏がなかなか出来なかった証左とも言えるところだ。

ロストロポーヴィチは、小澤との1985年の演奏の出来に大変満足し、当該盤のレコード会社であるエラートに、今後2度と同曲を録音しないという誓約書まで書いたとの噂も伝えられているところである。

したがって、ロストロポーヴィチの円熟のチェロ演奏を聴きたいのであれば1985年盤を採るべきであろう。

しかし、オーケストラ演奏なども含めた演奏全体を総合的に考慮に入れて、筆者はこれまでターリッヒ&チェコ・フィル盤を一番に推してきたが、後述のような極上の音質に鑑みれば、本盤に収められたカラヤン&ベルリン・フィルとの演奏を随一の名演に掲げたい。

本演奏でのロストロポーヴィチのチェロ演奏は凄まじい。

1985年盤のような味わい深さは存在していないが、重厚な迫力においては本演奏の方がはるかに上。

重心の低い重低音は我々聴き手の度肝を抜くのに十分であるし、同曲特有のボヘミア風の抒情的な旋律の数々も心を込めて情感豊かに歌い抜いている。

卓越した技量は殆ど超絶的とも言えるところであり、演奏全体に漲っている強靭な気迫や生命力は圧倒的で、ほとんど壮絶ささえ感じさせるほどだ。

確かに、1985年盤などと比較するといささか人工的とも言うべき技巧臭や、ロストロポーヴィチの体臭のようなものを感じさせるきらいもないわけではないが、これだけの圧倒的な名演奏を堪能させてくれれば文句は言えまい。

そして、ロストロポーヴィチの圧倒的なチェロ演奏にいささかも引けを取っていないのがカラヤン&ベルリン・フィルによるこれまた圧倒的な豪演である。

分厚い弦楽合奏、ブリリアントなブラスセクションの響き、桁外れのテクニックを示す木管楽器群など、当時全盛期にあったベルリン・フィルの演奏は凄まじいものがあり、カラヤンはベルリン・フィルの猛者たちを巧みに統率するとともに、独特の流麗なレガートを施すなどにより、圧倒的な音のドラマの構築に成功している。

そして、これにロストロポーヴィチのチェロが加わった演奏は、時に地響きがするほどの迫力を誇っており、指揮者、チェリスト、オーケストラの3者に最高の役者が揃い踏みした本演奏は、まさに豪華絢爛にして豪奢な壮大な音の建造物と言っても過言ではあるまい。

同曲によりボヘミア風の素朴な味わいを求める聴き手にはいささかストレスを感じさせる演奏であることは理解できるし、ロストロポーヴィチのチェロ演奏にある種の人工的な技巧臭を感じる聴き手がいることも十分に想定できるところであるが、これほど協奏曲の醍醐味を感じさせてくれる演奏は他に類例を見ない希少なものと言えるところであり、筆者としては、後述のように極上の音質と相俟って、本演奏こそはドヴォルザークのチェロ協奏曲演奏史上でも最高の超名演と高く評価したいと考えている。

併録のチャイコフスキーのロココの主題による変奏曲も、ドヴォルザークのチェロ協奏曲と同様のアプローチによる超名演であるが、特に聴かせどころのツボを心得たカラヤンならではの語り口の巧さが光っているのが素晴らしい。

音質は、これだけの名演だけにリマスタリングが繰り返し行われてきたが、数年前に発売されたSHM−CD盤がこれまでのところベストの音質であった。

しかしながら今般、ついにシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化が行われることによって、SHM−CD盤をはるかに凌駕するおよそ信じ難いような圧倒的な高音質に生まれ変わったところだ。

ロストロポーヴィチのチェロ演奏の弓使いが鮮明に表現されるなど、本シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤の艶やかな鮮明さや臨場感にはただただ驚愕するばかりであり、あらためて当該シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤の潜在能力の高さを思い知った次第である。

いずれにしても、ロストロポーヴィチ、そしてカラヤン&ベルリン・フィルの全盛期の至高の超名演を、現在望み得る最高の高音質を誇るシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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