2014年12月10日
モントゥー&ロンドン響のブラームス:交響曲第2番、大学祝典序曲、悲劇的序曲
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素晴らしい名演だ。
同曲演奏史上でもトップの座を争う名演として高く評価したい。
モントゥーは、若き日に生前のブラームスと会ったことがあることもあり、フランス人指揮者でありながら、こよなくブラームスを愛していたことで知られている。
「第2」については、本盤以外にもウィーン・フィルとのスタジオ録音(1959年)があり、「第3」については2種(COA(ターラ)及びBBC(BBCレジェンド))、「第1」についてはCOA盤が発売されている。
「第4」については、筆者は入手しておらず未聴であるが、既発売のCDのいずれもが名演である。
しかしながら、本盤の「第2」は、これらの名演とは別次元の超名演と言える。
89歳で世を去るまで現役として活躍を続けた20世紀を代表するフランスの大指揮者モントゥーが晩年になってロンドン交響楽団を指揮した、彼の偉大な風格が刻印された淀みなく流れるいぶし銀のような演奏である。
自らの死を2年後に控えたこともあるが、ここには、人生の辛酸を舐め尽くした巨匠だけが表現し得る風格と、至高・至純の美しさに満ち溢れている。
当盤は昔から評価が高い演奏であるが、力まかせの演奏ではなく、ごく自然体でありながら指揮者の意図が隅々まで浸透した素晴らしい演奏と言える。
必要以上に大袈裟にならず、それでいて十分な迫力もあり、別録音のウィーン・フィル盤と同様のテンポ設定でありながら、より自分の主張したい演奏に仕上がっていて申し分がない。
第1楽章など、提示部の繰り返しを行うなど、決して前に進んでいかない音楽であるが、それが決していやではないのは、モントゥーの深みのある音楽性の賜物と言える。
終楽章の堂々たる進軍は、あたりを振り払うような威容に満ち満ちており、これぞ大人(たいじん)の至芸と言えるだろう。
併録の2つの序曲も、制度設計がしっかりした風格のある素晴らしい名演と高く評価したい。
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