2014年12月02日

カラヤン&ベルリン・フィルのチャイコフスキー:交響曲第5番[SACD]


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カラヤンはチャイコフスキーを得意としていたが、このうち、交響曲第5番は5回もスタジオ録音している。

いずれも名演であると思うが、その中でもトップの座に君臨するのは、1971年に録音された本盤であると考える。

スタジオ録音であるが、ライヴ録音ではないかと思われるほど、劇的な性格を有した豪演と言うことができる。

この当時は、カラヤンとベルリン・フィルは蜜月状態にあり、この黄金コンビは至高の名演の数々を成し遂げていたが、本盤の演奏も凄い。

金管楽器も木管楽器も実に巧く、厚みのある重厚な弦楽器も圧巻の迫力だ。

雷鳴のようなティンパニの轟きも、他の誰よりも圧倒的。

そうした鉄壁の技量とアンサンブルを誇るベルリン・フィルを、これまた圧倒的な統率力で指揮するカラヤンの凄さ。

粘ったようなテンポや猛烈なアッチェレランドの駆使、そしてカラヤンには珍しいポルタメントの効果的な活用など、実に内容豊かでコクのあるチャイコフスキーを構築している。

流動感のある、しかも肌ざわりの柔らかい演奏とも言えるところであり、シンフォニーを指揮するカラヤンが意図する抒情的な味わいと、細部の綿密な分析による表情の多彩さが示された演奏である。

惜しいのは、従来CD盤では録音がいささか良くない点であり、「第4」のように、音が歪むという致命的な欠陥はないが、それでも最強奏になった時の音像の曖昧さは、演奏が素晴らしいだけに大変残念な気がしていた。

それはHQCD化によって幾分はましになったが、抜本的な改善が図られたわけではなく、筆者としては大変もどかしい思いがしていた。

ところが、今般、シングルレイヤーによるSACD盤が発売されるに及んで大変驚いた。

音質の鮮明さ、音圧、音場の幅広さのどれをとっても、従来CD盤とは段違いの素晴らしさであり、あらためて本演奏の凄さを窺い知ることが可能になるとともに、SACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。

いずれにしても、カラヤン&ベルリン・フィルによる絶頂期の素晴らしい名演を超高音質のシングルレイヤーによるSACD盤で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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