2014年12月03日
カラヤン&ベルリン・フィルのチャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」[SACD]
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カラヤンは、チャイコフスキーを得意としたが、その中でも十八番は、この交響曲第6番「悲愴」であった。
カラヤンと言えば「悲愴」と言われるくらい実に多くのレコーディングを遺しており、スタジオ録音だけでも7度も行うとともに、先般発売された来日時のライヴ録音や、NHK交響楽団とのライヴ録音などを加えると、圧倒的な点数にのぼる。
オペラのように起承転結がはっきりした標題音楽的な要素や、華麗なオーケストレーションなど、いかにもカラヤンが得意とした要素が散りばめられているのが、カラヤンが同曲を得意とした要因の一つに掲げられると考える。
遺された録音は、いずれも名演であるが、その中でも、本盤は、カラヤン60歳半ばの最も充実していた頃(1971年)の演奏で、ライヴ録音ではないかと思われるような劇的な豪演を成し遂げているのが特徴と言える。
悪魔的とも言うべき金管楽器の鋭い音色や、温かみのある木管の音色、重厚な低弦の迫力、そして雷鳴のように轟くティンパニの凄さなど、黄金時代にあったベルリン・フィルの圧倒的な技量が、そうした劇的な要素を大いに後押ししている。
カラヤンも、圧倒的な統率力で、ベルリン・フィルを巧みにドライヴするとともに、ポルタメントやアッチェレランド、流れるようなレガートなどを効果的に駆使して、美しいメロディに秘められた翳りの感情が見事に表現されている。
まさに本演奏は、「悲愴」の魅力を大いに満喫させてくれる屈指の名盤と言えよう。
録音も、同時期に録音された「第4」や「第5」と異なり、なかなかに良く、HQCD化によって、さらに鮮明さが増したが、今般、シングルレイヤーによるSACD盤が発売されるに及んで大変驚いた。
音質の鮮明さ、音圧、音場の幅広さのどれをとっても、従来CD盤やHQCD盤などとは段違いの素晴らしさであり、あらためて本演奏の凄さを窺い知ることが可能になるとともに、SACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。
いずれにしても、カラヤン&ベルリン・フィルによる絶頂期の素晴らしい名演を超高音質のシングルレイヤーによるSACD盤で味わうことができるのを大いに歓迎したい。
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