2014年12月06日

バックハウス&ベームのモーツァルト:ピアノ協奏曲第27番、ブラームス:ピアノ協奏曲第2番


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両曲ともに、ピアニスト、指揮者、オーケストラの3拍子が揃った、ピアノ協奏曲の醍醐味を存分に味わうことができる至高・至純の超名演である。

バックハウス=ベーム=ウィーン・フィルは深い信頼関係で結ばれており、この黄金トリオによるモーツァルトの27番、ブラームスの2番の協奏曲はザルツブルクやウィーンでの最大の呼び物であった。

英デッカにもセッション録音していて、いまだに決定盤の評価を得ているこの2曲のザルツブルク・ライヴがついに1枚のCDで登場。

とりわけブラームスはバックハウス最後のザルツブルクでの演奏曲目で、吉田秀和氏は会場で初めて生でバックハウスを聴いた感想を「あの曲のソロの冒頭にある長いアルペッジョの始まる低音の『深々とした厚み』とでもいいたいような感触は格別に印象的であった」と綴っている。

ブラームスのピアノ協奏曲第2番は、ピア二ストにとっても難曲ではあるが、オーケストレーションが交響曲並みに分厚いことで知られる。

要するに、ピアノ入りの交響曲とも言うべき特徴を備えており、それ故に、ピアニストだけでなく、指揮者やオーケストラにも相当の力量のある役者が揃わないと、楽曲の魅力を発揮することは著しく困難になる。

本演奏は1968年の録音であるが、この当時はベームの全盛時代で、厳しい造型の下、隙間風の吹かない重厚なアプローチを繰り広げており、それが同曲の性格に見事に符合している。

バックハウスは最晩年とは思えないような武骨とも言うべき力強いタッチを示しており、ベームともども最高のパフォーマンスを示している。

この両者の重厚ではあるが、武骨で巧言令色とは無縁の渋いアプローチを、ウィーン・フィルの美演によって、角の取れた柔和なものにしていることも特筆すべきであり、これら3者の絶妙なコラボレーションが、同曲史上最高の名演を生み出したと言っても過言ではあるまい。

モーツァルトは、ブラームスよりもさらに8年ほど前の演奏であるが、バックハウスの武骨なアプローチは、本来はモーツァルトの曲とは水と油の関係と言ってもいいのに、本演奏では、そのような違和感はどこにも感じられない。

それは、曲が第27番というモーツァルト最晩年の人生の諦観のような要素を多分に持った作品であることも要因の一つであると考えられる。

ベームは、得意のモーツァルトだけに、水を得た魚のように躍動感溢れる指揮をしており、ウィーン・フィルの演奏も例によって美しい。

英デッカのスタジオ録音を愛聴しているファンには、聴き逃すことのできない一盤と言えよう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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