2014年12月25日

ニコレ&リヒターのモーツァルト:フルート協奏曲、フルート&ハープ協奏曲(シュタイン) 他


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



モーツァルトのフルートを用いた作品を軸に、ハイドンの偽作とされるフルート協奏曲などが収められた好企画のCDである。

本盤は、そうした選曲の見事さもさることながら、演奏者も今となっては豪華な布陣である。

フルトヴェングラーがベルリン・フィルの芸術監督をつとめていた時代の首席フルート奏者であったオーレル・ニコレ、そしてバッハをはじめとしたバロック音楽やハイドン、モーツァルトの作品において比類のない名演の数々を遺したリヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団など、本演奏の当時(1962年)全盛期にあった者たちが繰り広げた演奏は、まさに珠玉の名演とも言うべき至高・至純の美しさを誇っていると高く評価したい。

オーレル・ニコレによるフルート演奏は、もちろん卓越した技量を有してはいるが、フルトヴェングラー時代のベルリン・フィルの首席奏者をつとめていただけのことはあって、技巧臭がいささかもせず、徹底した内容重視の演奏を行っている。

本盤に収められた各楽曲のうち、特に、フルートとハープのための協奏曲については、カール・ミュンヒンガーがウィーンの首席フルート奏者などと共に行った素晴らしい名演が存在しているが、当該演奏がウィーン風の情緒に満たされた美演であるのに対して、本演奏は徹頭徹尾ドイツ風の重厚なもの。

オーレル・ニコレによる彫りの深いフルート演奏、そしてリヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団による引き締まった造型美を旨とする剛毅な演奏が、演奏全体の様相をそのようなドイツ風の重厚にしてシンフォニックなものとするのに大きく貢献している。

そして、ローゼ・シュタインによるハープ演奏が演奏全体に潤いと温もりを付加するのに寄与し、これによって、重厚な中にも優美な美しさを併せ持った稀有の名演に仕上がっていると評価し得るところだ。

また、モーツァルトの2曲のフルート協奏曲やフルートと管弦楽のためのアンダンテも、オーレル・ニコレによるいわゆるジャーマン・フルートのいぶし銀の美しい魅力を十二分に満喫することが可能な素晴らしい名演であり、いい意味での剛柔のバランスという点においては、それぞれの楽曲の演奏史上でもトップクラスの名演と高く評価したい。

現在では、ハイドンによる作品ではないとされているフルート協奏曲ニ長調や、グルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」からの抜粋である精霊の踊りも、ドイツ風の重厚な中にもジャーマン・フルートのいぶし銀の美しさを感じさせる素晴らしい名演だ。

音質は、かつて発売されていた従来CD盤は、1960〜1962年のスタジオ録音であり、今一つの音質であったが、今般、待望のSACD化がなされるに及んで大変驚いた。

音質の鮮明さ、音場の拡がりなど、とても1960年代初め頃のスタジオ録音とは思えないような高音質に生まれ変わった。

いずれにしても、全盛期のオーレル・ニコレ、そしてリヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団ほかによる至高の名演を、鮮明な高音質SACDで味わうことができるのを大いに喜びたい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 22:40コメント(0)トラックバック(1)モーツァルト | リヒター 

トラックバックURL

トラックバック一覧

1. 前田綾子の教室いらずの自宅で簡単フルートレッスン  [ 知恵ノート ]   2013年03月24日 18:01
どうしてこうもフルートが上手くならないの? 学生時代に憧れたフルートだけど、や...

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ