2014年12月22日

ラトル&ベルリン・フィルのドヴォルザーク:交響詩集[SACD]


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ドヴォルザークの4つの交響詩集は、その題材の残忍さ、異常さから俗に殺人交響詩集とも称されている。

同交響詩集は、交響曲第9番「新世界より」やチェロ協奏曲ロ短調、そして弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」などの、ドヴォルザークのあらゆる作品の中でも最高峰の傑作が生みだされた後に作曲された晩年の作品であるだけに、更に優れた作品であるかのように思いきや、なかなかそうはいっていないと言わざるを得ない。

音楽評論家や学者の意見も、創作力が、交響曲第9番やチェロ協奏曲ロ短調などにおいてピークに達した後、減退しているというのが太宗を占めている。

交響詩集の各楽曲のオーケストレーションについては、ドヴォルザークが恩師であるブラームスを尊敬し、その作品から深い影響を受けているものの、自らがワグネリアンであることを公言していたとも伝えられているところであり、これらの各楽曲には、そうしたドヴォルザークのワグネリアン的な資質が見事に反映されていると言っても過言ではあるまい。

ただ、題材も含めた楽曲の芸術性と言った点に鑑みれば、ドヴォルザークの晩年の傑作と評価するには躊躇せざるを得ないところであり、そのせいか、4つの交響詩すべての録音も、チェコの指揮者による演奏にほぼ限定されていたとも言えるところだ。

このような中で、ラトル&ベルリン・フィルによる本盤が登場したというのは、これらの楽曲の魅力を世に知らしめるという意味において、極めて画期的なことであると考えられるところである。

演奏自体は、チェコの指揮者のように、ボヘミアの民族色など薬にしたくもない演奏と言える。

同曲のオーケストレーションの面白さ、巧みさを、ベルリン・フィルという世界最高峰のオーケストラを用いて見事に紐解くことに成功した演奏と言えるのではないだろうか。

当時のラトルの欠点でもある表現意欲の空回りを感じさせないわけではないが、それでも一般的にはあまり知られていないドヴォルザークの交響詩集のいわゆるオーケストラ曲としての魅力をこれほどまでに堪能させてくれれば文句は言えまい。

いずれにしても、本盤の演奏は、ドヴォルザークの交響詩集のオーケストラ曲としての魅力を多くのクラシックファンに認知させるのに成功した素晴らしい名演と高く評価したい。

音質は、従来CD盤でも十分に良好な音質であったが、今般、ついに待望のSACD化が図られることになった。

音質の鮮明さ、音場の拡がりなど、どれをとっても既発の従来CD盤とは比較にならないほどの極上の素晴らしい高音質であり、あらためてSACD盤の潜在能力の高さを思い知った次第である。

いずれにしても、ラトル&ベルリン・フィルによる素晴らしい名演を、高音質のSACD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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