2015年02月22日

パレー&デトロイト響のビゼー:「カルメン」組曲、「アルルの女」組曲 他


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



フランスの名指揮者パレーの偉大な遺産とも言うべき素晴らしい名演だ。

本盤のメインでもあるビゼーの劇音楽「アルルの女」第1及び第2組曲や歌劇「カルメン」組曲については、クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団による素晴らしい名演(1962年)が遺されており、大方の音楽評論家からも、当該演奏こそは両曲の決定的な名演との評価がなされているところである。

これに対して、本演奏は、当該クリュイタンス盤の陰に隠れた、一部のコアなクラシック音楽ファンのみが高く評価している知る人ぞ知る名演の地位に甘んじているが、クリュイタンス盤にも十分に比肩し得るほどの高度な演奏内容を誇っていると言えるだろう。

今般の本演奏の高音質盤の低価格による販売を契機に、多くのクラシック音楽ファンの間で、本演奏について正当な評価がなされることを心より願うものである。

それにしても、パレーの指揮芸術は、例えて言えば、書道における名人の一筆書きのようなものであると言えるだろう。

テンポはやや速めであり、一聴すると淡々と曲想が進行していくような趣きがあり、いささかも華美には走らない即物的で地味な様相の演奏である。

しかしながら、スコアに記された音符の表層をなぞっただけの薄味の演奏では決してなく、各旋律の端々には細やかなニュアンスが施されており、演奏に込められた内容の濃さにおいては、クリュイタンス盤と比較しても遜色はないものと思われるところだ。

パレーについては、一部の音楽評論家がフランスのシューリヒトと称しているが、まさに至言とも言うべきであり、その指揮芸術には、シューリヒトのそれと同様に、神々しいまでの崇高ささえ湛えていると言えるだろう。

それにしても、淡々と進行していく各旋律に込められたニュアンスの独特の瀟洒な味わい深さには、フランス風のエスプリ漂う抗し難い魅力が満ち溢れていると言えるところであり、これぞフランス音楽の粋とも言うべきものではないかと考えられるところだ。

加えて、デトロイト交響楽団という、最もアメリカ的なオーケストラがこのようなフランス風のエスプリ漂うセンス満点の演奏を展開していることが大変な驚きであると言えるところであり、これはまさしくパレーによる不断の薫陶とともに、その類稀なる統率力の賜物であると言っても過言ではあるまい。

カップリングされているビゼーの序曲「祖国」や、トマの歌劇「ミニョン」序曲や歌劇「レーモン」序曲も、パレーならではの老獪とも言うべきセンス満点の指揮芸術の魅力を十二分に味わうことができる素晴らしい名演と評価したい。

音質は、今から50年以上も前のスタジオ録音であるが、今般のルビジウム・クロック・カッティングによって、極めて鮮明な音質に改善されたことも、本盤の価値をより一層高めるのに大きく貢献していることを忘れてはならない。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:44コメント(0)トラックバック(0)ビゼー  

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ