2015年07月17日

メジューエワのリスト:ピアノ作品集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



若くして「巨匠の風格を備えつつある」と、ここ数年の演奏がきわめて高い評価を獲得しているロシア出身の実力派メジューエワ。

メジューエワと言えば、最近ではシューベルトのピアノ・ソナタ全集の録音に取り組んでいるところであり、タイミング的にもそろそろその第4弾の登場と思っていたところであるが、2011年のリスト生誕200年を記念してのリストのピアノ作品集の登場とは、メジューエワの芸風やこれまでのレパートリーからしても大変意外であったと言わざるを得ない。

というのも、2010年のショパンイヤーでは、ショパンの作品の数々の名演を聴かせてくれたこともあって、メジューエワにリスト弾きのイメージを見出すことがいささか困難であると言えるからである。

したがって、本盤を聴く前は、一抹の不安を抱かずにはいられなかったところであるが、聴き終えて深い感銘を覚えたところだ。

メジューエワによる本演奏は、一聴すると地味な装いをしているところであるが、聴き進めていくうちに、じわじわと感動が深まっていくような趣きのある演奏と言えるのではないだろうか。

派手さや華麗さなどとは無縁であるが、どこをとっても豊かな情感と独特のニュアンスに満ち溢れており、いわゆるヴィルトゥオーゾ性を全面に打ち出した一般的なリストのピアノ曲の演奏様式とは、一味もふた味も異なった性格を有していると言っても過言ではあるまい。

各楽曲の造型、とりわけ大曲でもあるピアノ・ソナタロ短調の造型の堅固さは、女流ピアニスト離れした重厚さを兼ね備えていると言えるところであり、強靭な打鍵から繊細な抒情に至るまで、持ち前の桁外れの表現力を駆使して、同曲の魅力を完璧に音化し尽くしているとさえ言えるだろう。

古今の大ピアニストたちが個性豊かな名演を刻んできたこの傑作ソナタに真っ向から挑み、正攻法の解釈で作品の素晴らしさを伝えてくれる。

例によって、1音1音を蔑ろにすることなく、曲想を精緻に、そして情感豊かに描き出して行くという正攻法のアプローチを軸としてはいるが、メジューエワの詩情に満ちた卓越した芸術性が付加されることによって、リストのピアノ曲が、単なる卓越した技量の品評会的な浅薄な作品ではなく、むしろロマン派を代表する偉大な芸術作品であることをあらためて認知させることに成功したと言ってもいいのではないだろうか。

「悲しみのゴンドラ」第2番や「暗い雲」の底知れぬ深みは、メジューエワの芸術家としての偉大さの証左と言っても過言ではあるまい。

いずれにしても、本盤の演奏は、メジューエワの卓越した芸術性を証明するとともに、今後の更なる発展を大いに予見させるのに十分な素晴らしい超名演であると高く評価したい。

音質は、「愛の夢」及び「カンツォーネとタランテラ」を除くすべての楽曲がDSDレコーディングとなっており、メジューエワの透徹したピアノタッチが鮮明に再現される申し分のないものとなっている。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 20:43コメント(0)トラックバック(0)リスト | メジューエワ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ