2014年12月27日

バルビローリ&ハレ管のディーリアス:管弦楽曲集[SACD]


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バルビローリは、シベリウスやグリーグなどの北欧音楽とともにイギリス音楽を得意中の得意としていた。

とりわけ、本盤に収められたディーリアスの管弦楽曲集(狂詩曲「夏の庭園にて」、歌劇「ハッサン」第1幕より間奏曲及びセレナード、夜明け前の歌、歌劇「コアンガ」より「ラ・カリンダ」、春初めてのカッコウを聞いて、川の上の夏の夜、去りゆくつばめ)は、バルビローリが指揮したイギリス音楽の様々な録音の中でも最良の遺産の1つと言っても過言ではあるまい。

ディーリアスの管弦楽曲は、いずれもいかにもイギリスの詩情溢れる親しみやすいものであるが、これをバルビローリ以上に情感豊かに美しく演奏したことがこれまでにあったのであろうか。

ディーリアスと親交の深かったビーチャムが、手兵ロイヤル・フィルとともに管弦楽曲集の録音(1958、1960、1963年)を遺しており、それは現在においてもディーリアスの管弦楽曲演奏の規範となるべき至高の超名演であるが、各演奏における情感の豊かさ、心を込めた歌い方においては、本盤のバルビローリの演奏の方に軍配があがる。

また、バルビローリの演奏が素晴らしいのは、これらの各楽曲のスコアに記された音符のうわべだけをなぞっただけの薄味の演奏にはいささかも陥っていないということであろう。

ディーリアスの管弦楽曲の演奏に際しては、その旋律の美しさに気をとられて、音楽に込められた内容への追求をどこかに置き忘れた薄味の演奏も散見されるところである。

しかしながら、バルビローリによる本演奏は、もちろん前述のように美しさにおいても他の演奏の追随を許さないものがあるが、どこをとっても奥深い情感と独特のニュアンスが込められており、楽曲の細部に至るまで彫琢の限りを尽くした内容の濃い、そして味わい深い演奏を展開している。

いずれにしても、バルビローリによる本演奏は、その美しさにおいても、内容の濃さにおいても、味わい深さにおいても、まさにディーリアスの管弦楽曲演奏の理想像の具現化と言えるところであり、ディーリアスと親交があったビーチャム盤を除けば、ディーリアスの管弦楽曲集の演奏史上でもトップの座を争う至高の超名演と高く評価したい。

音質は、1968年のスタジオ録音ではあるが、数年前にリマスタリングされたこともあって比較的良好な音質であると言えたところだ。

このような中で、今般、待望のシングルレイヤーによるSACD化がなされるに及んで大変驚いた。

音質の鮮明さ、そして音場の幅広さ、音圧などのどれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACD盤の潜在能力の高さを思い知った次第である。

いずれにしても、バルビローリによる最大の遺産の1つでもある至高の超名演を、現在望みうる最高の高音質SACDで味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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