2014年12月26日

F=ディースカウ&ブレンデルのシューマン:詩人の恋/リーダークライス


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《詩人の恋》は、青春の初々しい愛の喜びと失恋の悲しみという表面上のコンセプトから言えば、感傷的な色合いの強い歌曲集。

事実そのように演奏され、聴かれることが多い。

そういう繊細な感受性というイメージには、例えばベーアの演唱がぴったりだし、青年らしい傷つきやすい心が的確に歌い出されている。

この表層の抒情性に対し、ハイネの詩のテキストは鋭いアイロニーに満ちており、それは作曲者によって近代的な深層心理に読みかえられている。

そしてそれは表層の意識に対し、無意識の反対感情をひびかせ、複雑多感な心理の世界を築き上げている。

この相互照射に鋭敏かつ繊細に触れぬき、生き生きと再現しているという点でF=ディースカウ&ブレンデルに優る演奏はない。

また《リーダークライス》はロマン的な神秘感と近代的な自意識とがひとつに解け合う不思議な世界を生み出しているが、この両極のエレメントを結びつけるキーワードは「孤独」である。

孤独は辛いが、自己認識の新しい世界を開いてくれるし、また人間関係の煩わしさを逃れ、独りになる喜びも教えてくれる。

曲集はこの孤独な魂の新しい冒険の多彩さと物語的な面白さにかけてはF=ディースカウ&ブレンデルの右に出るものはない。

しかも曲のこの二面的構造を知りつくし、完璧に再現している点も他の追随を許さない。

いずれの曲集も充実した表現で、F=ディースカウの年輪の豊かさをしみじみと感じさせる演奏だ。

ただ、この時期(1985年)の彼は喉の状態がベストとは言えず、声の粗さが目立っている。

ブレンデルの伴奏はさすがと言うべきもので、彼特有のタッチによるシューマネスクな世界が、細やかな遠近法の中に描かれている。

《詩人の恋》第6曲を例にとれば、ラインの流れの描写、タッチの微妙な色合いなど聴くべきものは多い。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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