2014年12月29日

メジューエワのショパン:ピアノ作品集(2008年録音作品)


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メジューエワのショパン・アルバムとしては通算4枚目となる今作は、《幻想ポロネーズ》と《英雄ポロネーズ》をメインに晩年の傑作マズルカ(作品59)や初期の隠れた名曲「ロンド(作品16)」などを配した好プログラムである。

伝統に裏打ちされた深い読みと共感がかくも深遠なるショパンを生み出した凄い名演だ。

そもそも本CDに収録された楽曲の組み合わせが素晴らしい。

ポロネーズ、マズルカ、ワルツ、前奏曲、エチュードといった、ショパンの主要な作品からの抜粋を中心としたカップリングであるが、必ずしも有名曲だけを組み合わせているわけではない。

単なる人気取りの有名曲集に陥っていない点は、メジューエワのショパンへの深い拘りと理解の賜物であると考える。

メジューエワらしい繊細かつ大胆なタッチ、薫り高い詩情、堅牢な造型、堂々たるスケール感などの魅力に溢れた秀演。

五感を研ぎ澄ませてこのアルバムに収められた音楽を聴いて欲しい。

ショパン→ミクリ→ミハウォスキ→ゲンリヒ・ネイガウス→テオドール・グートマン→トロップ→メジューエワ。

ショパンから数えて7代目の弟子となるメジューエワの元で今、ショパンの血統が脈々と息づいていることにきっと気付かれるに違いない。

ライナーノーツの解説には、メジューエワを「思考するピアニスト」と評していたが、これはなかなかの至言である。

メジューエワは、ショパンがスコアに記した音符の1つ1つを丁寧に、そして風格豊かに弾き抜いて行く。

この1音たりとも蔑にしないアプローチは、ショパンの各曲の旋律線を実にくっきりと明瞭に描き出すことに大きく貢献する。

こうした堂々たるピアニズムについては、ある意味では、「思考するピアニスト」との見方もあり得るのではないかと思うからである。

ただ、重要なのは、メジューエワは、理屈が先に立つピアニストではないという点だ。

音楽は実に優美に流れるし、女流ピアニストならではの繊細な詩情においてもいささかの不足もない。

要は、非常に幅の広い表現力を身につけているということである。

このような素晴らしい大芸術家が、我が国を拠点に活動しているというのは何という幸せであろうか。

明晰な論理と深い情感を持って献身的に作品と対峙するその姿は、新しい時代のショパン弾きとして、そしてロシア・ピアニズムの名門ネイガウス流派の継承者の1人として面目躍如たるものがあると言えよう。

2008年5月14〜16日、新川文化ホール(富山県魚津市)に於ける録音も鮮明で文句なし。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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