2015年06月12日

メジューエワのシューベルト:ピアノ作品集-2


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メジューエワによるシューベルトのピアノ作品集の第2弾の登場だ。

前回は最晩年のピアノ・ソナタ第19番と晩年のピアノソナタ第18番を軸とした構成であったが、今回は中期の傑作であるピアノ・ソナタ第14番とさすらい人幻想曲を軸に、晩年の傑作である4つの即興曲、3つのピアノ曲などをカップリングした構成となっている。

前回の第1弾が圧倒的な名演であっただけに、大いに期待して聴いたところであるが、本盤の演奏もそうした期待をいささかも裏切ることがない素晴らしい名演に仕上がっていると高く評価したい。

本演奏においても、メジューエワの基本的なアプローチは前回と変わっていないと言える。

要は、1音1音を揺るがせにすることなく、旋律線を明瞭にくっきりと描き出していくというスタンスで演奏に臨んでいるが、いささかも単調に陥るということはなく、強靱な打鍵から繊細な抒情に至るまで表現力の幅は桁外れに広いと言える。

全体の造型は非常に堅固であるが、音楽は滔々と流れるとともに、優美な気品の高さをいささかも失うことがないのがメジューエワの最大の美質である。

そして、細部に至るまでニュアンスは豊かであり、その内容の濃さはメジューエワの類稀なる豊かな音楽性の証左と言えるだろう。

また、本盤に収められた各楽曲は、晩年の傑作である4つの即興曲や3つのピアノ曲は別格として、その他の楽曲についても、晩年の楽曲ほどではないものの、ウィーン風の抒情に満ち溢れた名旋律の端々には寂寥感や死の影のようなものが刻印されているが、メジューエワによる本演奏は、かかる寂寥感や死の影の描出においてもいささかの不足もなく、前述のような気高くも優美なピアニズム、確固たる造型美なども相俟って、まさに珠玉の名演に仕上がっていると言っても過言ではあるまい。

重厚堅固な構築性と自発的即興性がバランスよく結びついた弾きっぷりは、メジューエワの一層の進化・深化を物語るものであると言えよう。

これほどの名演を聴くと、メジューエワの類稀なる才能をあらためて感じるとともに、今後の更なる成長・発展を大いに期待できるところだ。

今後予定されているメジューエワのシューベルトのピアノ作品集第3弾にも大いに期待したいと考える。

音質についてもメジューエワのピアノタッチが鮮明に捉えられており、素晴らしい高音質であると評価したい。

とりわけ、DSD録音がなされたさすらい人幻想曲などが収められた2枚目のCDについては極上の高音質録音であり、今後可能であればSACDで聴きたいところだ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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