2015年01月17日

岩城宏之&N響の黛敏郎:曼荼羅交響曲/舞楽


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我が国の伝統文化に深い敬意を表して、そうした伝統文化に根ざした傑作の数々を世に送り出した黛敏郎には、頭が下がる思いである。

音楽のレビューと直接の関係がなくて恐縮であるが、現在の政権の、日本の伝統文化や日本人としての誇りを蔑にするかのような嘆かわしい状況に鑑みれば、今こそ黛敏郎の音楽を深く味わうべき時にあるのではないかとさえ考える。

本盤に収められた両曲ともに素晴らしい傑作で、いずれも東洋的な精神世界をオーケストラで壮大に表現した傑作で、黛敏郎の才能の素晴らしさを実感できる。

曼荼羅交響曲は、涅槃交響曲と同様に、仏教の世界観をとり入れた作品であるが、どちらかと言えば、涅槃交響曲よりもわかりやすいと言えるかもしれない。

大乗仏教の金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅をモチーフにした2部構成の作品で、第1部は、打楽器とオーケストラが断片的な音の交換から始まり、段々と東洋的なイメージが膨らんでいき、第2部は、静かな仏教的な境地を思わせる雰囲気から、打楽器や金管が大きく盛り上がる展開である。

ライナーノーツによると、NHK交響楽団初の世界演奏旅行の際に、各地で演奏したとのことであるが、まさに世界に誇る現代曲の傑作と言えるのではないか。

バレエ音楽「舞楽」も、西欧音楽の楽器を活用した日本古来の音楽と言った趣きであり、バレエ音楽と言うよりは、能や歌舞伎の舞を思わせるような、独特の魅力に満ち溢れている。

雅楽の音響をオーケストラで模した2部構成の作品で、笙、しちりきのような音色が交錯しながら段々と盛り上がって、タイトルにふさわしい、東洋的なリズムの現代舞曲になっていて、全体を通して平安王朝の雰囲気に満ちた作品である。

演奏は、これらの両曲の初演者である岩城宏之&NHK交響楽団によるものであり、黛敏郎も生前において認めていた演奏だけに、現時点においても、最も権威ある名演と評価しても過言ではあるまい。

Blu-spec-CD化による高音質化も、本盤の価値を大いに高めている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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