2015年02月09日
アンセルメ&スイス・ロマンド管のドリーブ:バレエ音楽「コッペリア」(抜粋)、同「シルヴィア」(抜粋)
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バレエ音楽の神様と称されたアンセルメの面目躍如たるドラマティックで素晴らしい名演だ。
ドリーブのバレエ音楽の代表作である「コッペリア」及び「シルヴィア」の長大な全曲からの抜粋であるが、有名な楽曲はほぼ網羅されており、バレエ音楽全体を俯瞰するには、これくらいがちょうど良いと言えるのかもしれない。
演奏は、ドリーブの音楽のもつ、あたかも絶世の美女が片えくぼをつくりながら微笑んでいるかのような気品に満ちた、艶麗な感じを見事に表出したものだ。
どの曲も、ふっくらとして美しく、それでいて情緒におぼれているようなところが少しもない。
こうしたあたりに、アンセルメの卓越したうまみを感じる。
そして何と言ってもアンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団の素晴らしさは、瀟洒な味わいに満ち溢れた色彩豊かな音色ということになるだろう。
アンセルメの音に対する美意識は実に鋭いものがあり、どこをとっても光彩陸離たる華麗な音がしているのが素晴らしい。
力強さにおいてもいささかも不足はないのだが、どのようにオーケストラが最強奏しても、前述のような瀟洒な洒落た味わいを失わないのは驚異的な至芸とも言える。
本盤におけるアンセルメも、聴かせどころのツボを心得たセンス満点の美演を繰り広げており、これら両曲の最高の名演としての評価は、現在においてもいささかも揺るぎがないものと考える。
アンセルメの実演を実際に聴いた方々によると、スタジオ録音されたレコードとのギャップに失望したとのことであり、アンセルメの美演の数々は多分に英デッカによる極上の名録音が寄与しているとのことであるが、実演を聴くことができない現代に生きる我々聴き手は、CDを聴いて判断するのみ。
CDにおいて、これだけの素晴らしい極上の美演を堪能させてくれるアンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団に対しては、決して文句は言えまい。
リマスタリングによる音質向上効果も上々のものがあり、この素晴らしい名演を鮮明な高音質で聴くことができることを大いに歓迎したい。
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