2015年01月03日

ベーム&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第4番<ロマンティック>[SACD]


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これ以上は求められないような超高音質SACDの登場だ。

ベーム&ウィーン・フィルによる定評ある名演だけに、これまで、従来盤に加えて、SACDハイブリッド盤やSHM−CD盤など、高音質化に向けた様々な取組がなされてきた。

英デッカの録音だけに、もともとかなりの高音質で録音されているが、それでも、前述のような高音質化に向けての不断の取組を見るにつけ、まだまだ高音質化の余地があるのではないかと考えてきた。

そして、満を持しての今般のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤の登場であるが、これまでのCDとは一線を画する極上の高音質CDと言えるだろう。

ベームのブルックナー「第4」は、その求心力ある演奏によって、この曲のスタンダード盤とでも言って良いものである。

ベームがウィーン・フィルを指揮した、ロマン的な情感をたっぷりと湛えた荘厳にして崇高な演奏は、彼の残した代表的な遺産のひとつとして多くのファンから支持されている。

筆者にとってはLP時代からの愛聴盤であるが、ウィーン・フィルとベームのブルックナーは意外と少なく、「第3」「第4」「第7」「第8」しかリリースされていないが、その中でも英デッカ録音の「第3」「第4」特別な名演である。

この演奏はLPで発売された当初、吉田秀和氏によりフルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ以来の大演奏と評されたと記憶するが、確かに、ここにはベームとウィーン・フィルの最上の成果がある。

ベームの指揮は熟達と形容するほかはなく、明確な見通しと構想をもってオーケストラを導き、統率する。

それは指揮者が自らの個我に拘るものではなく、オーケストラの能力・魅力を最大限に引き出して、楽曲が要求するところを虚心に実現するためのものといった趣がある。

ウィーン・フィルも全幅の信頼を置く老ベームに全力を傾けて応え、その音色・音質は芯のある引き締まったしなやかなもので、深々と、時には清々しく軽やかに、洗練のうちに野趣を失うこともなく、理想的なブルックナーサウンドを聴かせてくれる。

冒頭、朝霧が徐々に晴れていくかのような弦のトレモロに乗って、ウィーン・フィルのホルン奏者達が、まさにブルックナー交響曲の開始を告げるがごとく、遠くで誇らしげに鳴り響くのを聴く時、聴く者は抗し難い魅力に捉えられ、これから比類ない音楽が展開されるのを予感する。

そよ風が駆け抜けるようなブルックナーは、ベーム指揮のベートーヴェン「田園」とイメージがよく似ていて、重くなりがちなブルックナーのシンフォニーを爽やかに聴かせてくれている。

それは軽薄ということではなく、ちゃんと真髄と捕らえつつ歌い上げるという表現が合っていると言えるところであり、テンポのコントロールが一定でどっしりとした安定感がある演奏である。

ベームはその著『回想のロンド』になかで、「ブルックナーのように孤独で独特な存在に対して、オーケストラ全体が目標を決めていることこそ決定的なことなのだ。もしも壇上のわれわれみなが納得してさえいれば、われわれは聴衆をも納得させずにはおかない」旨を語り、特にウィーン・フィルとの関係では、この点を強調している。

ブルックナーにおいて「第3」「第7」「第8」とも、ウィーン・フィルとのコンビではこうした強固な意志を感じさせる。

同国オーストリア人の気概をもっての魂魄の名演と言えるだろう。

その他にもこの歴史的な名演の売りはいくつかあるが、何よりも素晴らしいのは、ウィーン・フィルならではの美しい音色を味わうことができることだ。

そして、本CDでは、こうしたウィーン・フィルの美しい響きを存分に満喫できるのが何よりも素晴らしい。

朗々たるウィンナホルンの響きは見事であるし、どんなに最強奏しても、あたたかみを失わない金管楽器や木管楽器の優美さ、そして厚みがありながらも、決して重々しくはならない弦楽器の魅力的な響きなど、聴いていてほれぼれとするくらいだ。

各楽器の響きの分離も、最強奏の箇所も含めて実に鮮明であり、演奏の素晴らしさも含め、究極のCDと評価しても過言ではないと考える。

後に、ヴァントやチェリビダッケ、更にクーベリック、ザンデルリンク等々とこの曲には名演が続出・目白押しであるが、筆者にとってブルックナー第4交響曲の最高の名演は依然このベーム指揮ウィーン・フィルによるものである。

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classicalmusic at 00:43コメント(0)ブルックナー | ベーム 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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