2015年01月10日

スメタナSQのベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番<ラズモフスキー第3番>・第10番<ハープ>


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室内楽録音の金字塔とも言われるスメタナ四重奏団のベートーヴェン全集から、中期傑作の森の2曲という白眉の1枚。

スメタナ四重奏団によって、1970年代から1980年代初めにかけて完成されたベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集は、恐るべき凝縮力による緊密なアンサンブルによるベートーヴェン演奏の不滅の金字塔として名演の誉れが高い。

その中で、後期の弦楽四重奏曲(第11〜16番)は、名演ではあるものの、スメタナ四重奏団が必ずしもベストというわけではない。

かつてのカペー四重奏団から始まって、最近ではアルバン・ベルク四重奏団など、海千山千の四重奏団が個性的な名演を繰り広げており、より音楽的に内容の深いこれら後期の作品では、どうしても、そうした個性的な演奏の方に軍配が上がるからである。

それに対して、初期や、本盤に収められた第9番や第10番を含む中期の弦楽四重奏曲では、スメタナ四重奏団のような自然体の純音楽的アプローチは、抜群の威力を発揮する。

本盤の第9番や第10番も、おそらくはこれら両曲のトップの座を争う名演と高く評価したい。

一昔前は最高の弦楽四重奏団と言われた彼らの特徴は、暗譜による演奏の自由さにあった。

アンサンブルの緊密さから生まれる迫力は、その後の団体のさめた完璧な技術による響きとはかなり異なるが、いまでは聴くことができなくなった価値を思い知らされる。

4人が完全に一体となって、命を削るかのような集中力をもって音楽に奉仕しているのが、誰にでもはっきりと感得出来る。

スメタナ四重奏団の息のあった絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさのない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献している。

もちろん、自然体といっても、第9番の第1楽章や終楽章などのように重量感溢れる力強さにもいささかの不足はない。

相変らず、キリリとしまった隙のない演奏ぶりであるが、そうした生真面目さの中で、第10番の両端楽章の軽やかさが印象的だ。

特に第1楽章の静かに始まる短調の調べから、長調の美しいピチカートへと移る部分は、このCDの聴きどころのひとつであり、憂いに溢れる第2主題で再び短調に戻る展開も、素晴らしい。

Blu-spec-CD化による高音質も極上であり、本名演の価値を大きく高めるのに貢献している。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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