2015年01月21日
スメタナSQのドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」/弦楽六重奏曲
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チェコの至宝であったスメタナ四重奏団が解散の直前に録音した極めつきのドヴォルザーク。
スメタナ四重奏団の演奏が日本の音楽ファンに与えた影響は小さくなく、40年以上に及ぶキャリアと伝統は音楽史に残るべきものがあるだろう。
ドヴォルザークの室内楽曲中、最も有名な弦楽四重奏曲である第12番「アメリカ」は、スメタナ四重奏団にとっても、演奏回数が非常に多い作品の1つと言えよう。
録音も当然のことながら多く、本盤も、何と5回目の録音ということになり、スメタナ四重奏団がその芸術の集大成とでも呼べるべき傑出した演奏による当録音は、素晴らしいの一言。
スメタナ四重奏団の「アメリカ」としては、1970年代の旧録音の方がよりベストフォームの名演だと思うが、本盤の演奏も、名演と評価したい。
円熟の極みにあったスメタナ四重奏団は、メンバーが晩年を迎えながら技術的にも音楽的にも完熟の極みといえる深い味わいを湛えた名演をなしている。
何度も演奏を繰り返すことによって、楽曲の隅々に至るまで知り尽くしているとは思うが、いわゆる惰性で演奏している箇所は皆無。
どこをとっても、敬愛する楽曲を演奏するという喜びと躍動感に満ち溢れており、そうした謙虚で真摯な姿勢が、聴き手にゆったりとした気持ちで同曲を味わうことができることに繋がるものと考える。
スメタナ四重奏団は暗譜で全曲演奏することで有名であるが、精緻なアンサンブルの秘訣はそのこととも関連するのであろう、弦楽器であるがブレスのタイミングを揃えているようにも感じ取れた。
4つの楽器が見事に融合する美しい響きは相変わらずであり、何度録音(演奏)してもスメタナ四重奏団の「アメリカ」は、常に名演との評価が揺らぐことはないものと考える。
筆者としては彼らのドヴォルザークの演奏は本当に唯一無二のものだと高く評価したいと考えている。
カップリングの弦楽六重奏曲は、あまり演奏されない楽曲ではあるが、スメタナ四重奏団や、チェコの誇るスークやフッフロの名演奏によって、非常に美しい楽曲であることを認識させられた。
アンサンブルは緊密にして豊麗、楽曲への共感と自信に満ち、全体はすばらしい幸福感に包まれている。
Blu-spec-CD化によって、音質は非常に鮮明になっており、解像度も各楽器の分離も良く、音像が目の前に立ちあがるようで、これらの名演奏の価値をさらに高めることに繋がっている。
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