2015年02月01日

クーベリック&チェコ・フィルのドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」、モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」(1991年ライヴ)


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1990年、42年ぶりに“プラハの春”音楽祭に出演して全世界を感動の渦に巻き込んだクーベリックが、その1年後に再び“プラハの春”でチェコ・フィルを振った貴重なライヴ録音。

ドヴォルザークの「新世界より」とモーツァルトの「プラハ」の組み合わせは、クーベリックにとっても最も得意とするベストプログラムであったが、「新世界より」も「プラハ」も、1986年に指揮活動の第一線を引退した人とは思えないほど、美しい緊張感とエネルギーにみちた演奏で、聴きごたえ十分の好演。

しかしながら、本盤の演奏は、いずれも必ずしもクーベリックのベストフォームとは言い難い。

「新世界より」ならば、ベルリン・フィルとの1972年盤が最も条件の整った名演と言えるし、ライヴ録音ならば、手兵バイエルン放送交響楽団との1965年盤(来日時)や1977年盤の方がより力感に満ち溢れた名演と言える。

他方、「プラハ」も、バイエルン放送交響楽団との1980年盤こそ、至高の名演と言える。

にもかかわらず、本盤の演奏には大いに惹き込まれる魅力がある。

それは、ビロード革命を経て漸く念願の自由を勝ち取った喜びを分かち合うクーベリック、チェコ・フィル、そして会場に居合わせた聴衆の熱き心である。

この熱き心が、必ずしもベストフォームとは言い難い演奏を、聴き手の心の琴線に触れる感動的な名演に仕立て上げているものと言える。

ドヴォルザークもモーツァルトも細部まで神経が行き届き、表情が細やかで、加えてオーケストラからも“特別”な意気込みが感じられ、熱い演奏になっている。

クーベリックは慣習に流されず新鮮な感動に満ちた作品像を構築、チェコ・フィルが持てる力の限りを尽くしてこれに応えている。

両者がともに音楽する喜びを深く感じている、すばらしく凝縮した“時”が刻まれた作品。

ここには、演奏することの喜びが満ち溢れており、随所から感じられる熱気や生命力においては、前述したクーベリックの過去のいずれの名演をも凌駕するものと高く評価したい。

録音はもともとイマイチであり、Blu-spec-CD化されても、あまり音質の改善が見られないのだけはいささか残念だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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