2015年02月05日

ベルティーニ&ケルン放送響のマーラー:交響曲全集


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ガリー・ベルティーニの名前を飛躍的に高めたケルン放送交響楽団とのマーラー・レコーディングは、当初ドイツ・ハルモニア・ムンディで1980年代半ばからスタートし、その後EMIへと引き継がれ、最後の数曲は、同コンビ来日時のマーラー全曲ツィクルスがライヴ収録されて完結、日本の音楽ファンにはとりわけ意義深い全集となった。

数あるマーラーの交響曲全集の中でも、かなり上位にランクされる現代のリファレンス的名演であると高く評価したい。

ベルティーニは、必ずしもレパートリーの広い指揮者ではなかったが、そのような中で、マーラーについてはかなりの録音を遺した。

11曲の演奏は、いずれもベルティーニならではの鋭い審美眼が作品のあらゆる細部に行き届いた名演揃い。

まさにマーラー指揮者とも言える存在であったが、ベルティーニのマーラー演奏の特色は、許光俊氏がライナーノーツに記しておられるように、流麗なる美しさということになるであろう。

どんなに劇的な箇所に差し掛かっても、バーンスタインやテンシュテットのように踏み外したりすることはなく、どこまでも流麗な美しさを失わない。

それでいて、軟弱さなどとは皆無であり、劇的な箇所における力強い迫力にいささかの不足を感じさせることはない。

同世代のライバルのマーラー指揮者のインバルは、内なる激しいパッションをできるだけ封じ込めて、実に抑制的な表現につとめているが、ベルティーニは、あくまでも自然体で指揮をしており、こうした自然体のアプローチによって、硬軟併せ持つ、いい意味でのバランスのとれたマーラーを表現できるというのは、天性のマーラー指揮者の手による類稀なる至芸と言える。

本全集に収められたいずれの曲も名演の名に値するが、全集録音初期の「第3」は、その出来栄えの見事さで当時のあらゆる批評で絶賛を浴びたものであるし、「第2」は許光俊氏をうならせた高精度演奏、「第1」は、日本における“マーラー・ルネッサンス”最高の成果とうたわれた一連の来日公演のライヴと、マーラー好きにはどれも逸することができないところであろう。

特に、「第2」の第2楽章や「第4」の第3楽章、「第5」の第4楽章、「第6」の第3楽章、そして「第9」の終楽章など、緩徐楽章の決して耽美には陥らない高潔な美しさは、他の指揮者の追随を許さない高みに達している。

「第3」の第1楽章や「第9」の第1楽章などのいい意味でのバランスのとれたスケールの大きい演奏も見事であるし、合唱や独唱の入る「第8」や「大地の歌」なども素晴らしい名演だ。

良心的な価格でもあり、きわめて水準の高い名盤と評価したい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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