2016年03月13日

ワルターのシューベルト:交響曲第5番&第8番「未完成」


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ワルター晩年の貴重なステレオ録音ライヴラリーの中でも特に素晴らしい演奏を味わえる1枚である。

両曲ともに、ワルターならではのヒューマニティ溢れる情感豊かな名演だ。

特に、「第5」については、この曲を語る上で忘れてはならない名盤で、他のどの演奏よりも美しく、同曲最高の名演と特に高く評価したい。

第1楽章など、実にゆったりとしたテンポで開始するが、その懐の深さは尋常ではなく、初めてこの曲を聴くような新鮮さを感じさせる。

緩徐楽章など天国的に美しく、随所に感じられるニュアンスの豊かさ、繊細さも至高・至純の美しさに満ち溢れている。

それでいて、第3楽章などは力強さに満ち溢れており、決して典雅な優美さ一辺倒には陥っていない。

比較的小品的な扱いをされるこの曲の魅力を再発見させてくれる素晴らしい演奏内容である。

DSDリマスタリングによる高音質化も、決して嫌みのない音質に仕上がっており、このシリーズでは成功例に掲げられるだろう。

「未完成」も初出以来多くの評論家やファンが認める名演中の名演で、この曲の持つロマンティシズムを情緒纏綿に謳い上げた素晴らしいもの。

「未完成」には、最近では、ウィーン風の優美な情緒よりも、よりシリアスにシューベルトの内面を掘り下げていく、いわば辛口の名演が増えつつあるが、本盤は、ウィーン風の優美な情緒を売りにした古典的な名演と言えるだろう。

かつての古典的な名画に「未完成交響楽」があるが、本盤の演奏はまさに、当該名画のイメージがあり、ウィーン風のニュアンス豊かな絶美の音楽がどこまでも醸し出されていく。

如何にもワルターらしい曲を慈しむような丁寧な表現が何とも素敵で、特にオーケストラがニューヨーク・フィルという事で、弦パートの絹のような芳純な味わいが何とも言えない。

特に、ゆったりとしたテンポで情感豊かに演奏していく第2楽章が特に秀逸だ。

冒頭の淡々とした表現から次第に盛り上がって行く様子も実に自然で、例によって曲の随所に「歌」が溢れているところがワルターの真骨頂と言えよう。

傑作歌曲を数多く残したシューベルトの曲中に潜む多くの「歌」を表現出来た最後の指揮者の1人がワルターであった事は紛れもない。

録音はSACD盤がベストであるが、DSDリマスタリングも「第5」ほどではないものの成功しており、通常CDとしては、やはり本盤を推したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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