2015年01月09日

ワルターのマーラー:交響曲「大地の歌」(1960年スタジオ録音)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ワルターは1911年に「大地の歌」を初演したが、マーラーの弟子・後継指揮者として、この曲を35才のワルターが世に問うたことは、彼自身が述懐しているように実に大きな飛躍のステップであった。

そんなワルターが遺した「大地の歌」の録音と言えば、ウィーン・フィルを指揮した1936年盤と1952年盤の評価が著しく高いため、本盤の評価が極めて低いものにとどまっている。

特に、1952年盤が、モノラル録音でありながら、英デッカの高音質録音であることもあり、ワルターによる唯一のステレオ録音による「大地の歌」という看板でさえ、あまり通用していないように思われる。

ミラーとヘフリガーの名唱を得て、マーラー解釈の神髄を披露し、演奏の質は非常に高いだけに、それは大変残念なことのように思われる。

確かに、1952年盤と比較すると、1952年盤がオーケストラの上質さやワルターが最円熟期の録音ということもあり、どうしても本盤の方の分が悪いのは否めない事実であると思うが、本盤には、1952年盤には見られない別次元の魅力があると考えている。

1960年の録音であり、それは死の2年前であるが、全体に、人生の辛酸を舐め尽くした老巨匠だけが表現することが可能な人生の哀感、ペーソスといったものを随所に感じさせる。

特に、「告別」には、そうした切々とした情感に満ち溢れており、ここには、ワルターが人生の最後になって漸く到達した至高・至純の境地が清澄に刻印されていると思われるのである。

ワルターの説得力に富むアプローチに加え、ヘフリガーの独唱も他に代えがたい深い詠嘆を湛えており、心に染み入るものがある。

第1楽章「大地の哀愁に寄せる酒の歌」の出だしから、ワルターと完全に融合し、マーラーの心境にひしと寄り添っているような一体感を醸しており、至芸と言えよう。

ニューヨーク・フィルも、ワルターの統率の下、最高のパフォーマンスを示していると言って良い。

DSDリマスタリングによって、音質がグレードアップされている点も特筆すべきであろう。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:46コメント(0)トラックバック(0)マーラー | ワルター 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ