2015年04月01日

ビシュコフのR.シュトラウス:歌劇「ダフネ」


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R.シュトラウスの「ダフネ」は、「エレクトラ」と同様にギリシャ神話を題材にしたオペラであるが、「エレクトラ」のようにエキセントリックなところは微塵もなく、牧歌的な抒情に彩られた作品ということができるだろう。

もちろん、悲劇であり、劇的な箇所もないわけではないが、随所に見られるR.シュトラウスならではの色彩感溢れる華麗なオーケストレーションが、前述の牧歌的な抒情も相俟って、独特の魅力を放っている。

まさに、R.シュトラウスお得意の交響詩を聴くような面白さがあると言えるのかもしれない。

作曲技法が洗練の極みに達したR.シュトラウス晩年の歌劇は、初期や中期の諸作ほどオペラ・ハウスのレパートリーとして定着してはいない。

しかし、ひとたびこの新録音を耳にすれば誰もがその魅力を痛感することだろう。

大編成の管弦楽を用いて力強く華麗な響きを生み出しながらも透明感を保つオーケストラ・パートなど、円熟期ならではの充実ぶりである。

ビシュコフ&ケルン放送交響楽団は、「エレクトラ」や一連の交響詩の録音において既に名演を成し遂げているが、本盤においても、R.シュトラウスがスコアに書き記した音楽を精緻に、そしてスケール雄大に描き出していく。

そのダイナミックレンジの幅の広さ、牧歌的な抒情における情感の豊かさ、劇的な箇所の迫力など、いずれもとっても見事と言うべき好演を行っている。

ビシュコフは精緻なスコアから豪華絢爛たる音像を描き出すが、その棒は譜面の細部まで鮮明に浮かび上がらせる緻密さも併せ持ち、このオペラの美点を100パーセント表現しきる卓越した指揮として称えたい。

現在のオペラ界を代表する錚々たる歌手陣も豪華。

フレミングの美声は乙女ダフネとしては幾分豊麗に過ぎるかもしれないが、絶妙にコントロールされた見事な歌唱を繰り広げ、ロイキッポスを演じるシャーデのしなやかな喉も特筆すべきだ。

特に、主役のダフネのフレミングは適役であり、アポロのボータ、ロイキッポスのシャーデともども最高のパフォーマンスを示しており、特に、終結部に至る手前の三者による三重唱は、鬼気迫る迫真の歌唱を行っている。

録音も非常に鮮明であり、本名演の価値を大いに高めている。

作曲者からこの作品を献呈された初演者のベームが亡くなって約四半世紀、ようやく現代の「ダフネ」が誕生した事を心から喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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