2022年08月30日
👏シベリウスの第一人者カラヤン&ベルリン・フィルの全盛期の録音はあらゆるシベリウスの交響曲演奏の中でもトップの座を争う至高の名演
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カラヤンはシベリウスを得意とし、若いころからシベリウスの作品の演奏に積極的で、DGやEMIなどにかなりの点数の録音を遺している。
そのような中で、最高峰の名演は、やはり本盤に収められた録音ということになると考える。
カラヤンの指揮者としての全盛期は1960年初頭から1970年代の後半くらいまでであるが、本盤が録音されたのはまさにその全盛時代。
当時、蜜月の関係にあったベルリン・フィルも最高の時代であり、両者による演奏が悪かろうはずがない。
ここでは、シベリウス演奏の第一人者ともいうべきカラヤンとベルリン・フィルの1960年代の勢いのある、ゴージャスなシベリウス演奏で、ベルリン・フィルの磨き上げられた、素晴らしく美麗なサウンドによる非常に緊張感のある名演奏を聴くことができる。
とにかくベルリン・フィルの合奏力とカラヤン絶頂期の統率力により、シベリウスの交響曲の中でも完璧な演奏だ。
さらに管楽器奏者が、まさに北欧の響きを醸し出し、弦楽器も一糸乱れぬ繊細なアンサンブルで、清冽な演奏を繰り広げており、これほど完成度が高く、感動的な演奏は稀有のものと言えよう。
録音は、イエス・キリスト教会であり、ここの美しい残響もシベリウスの録音には最高のロケーションと言えるだろう。
交響曲第4番〜第7番のいずれも非の打ちどころのない名演であるが、いずれもベルリン・フィルの重量感溢れる低弦の響きや高弦による繊細な美しさはシベリウスの交響曲を聴く醍醐味というべきであり、金管や木管も最高のパフォーマンスを示している。
一部評論家からは、大言壮語だとか、シベリウスの本質を逸脱しているとの批判があるが、シベリウスは北欧のローカルな作曲家ではない。
20世紀を代表する国際的なシンフォニストであり、シベリウスの演奏はこうでないといけないというような様式などどこにも存在するはずがない。
したがって、カラヤンの演奏が、シベリウスの本質を逸脱しているなどと、何を根拠にして言っておられるのであろうか。
現に、作曲者であるシベリウスもカラヤンの演奏を高く評価していたと言うではないか。
シベリウスの交響曲は一般的に北欧系や英国系の演奏が評価されているが、むろんそれらの演奏も素晴らしいに違いない。
しかしながら、このカラヤンの演奏は、それらとは趣を異にしながら、シベリウスの本質をしっかりと捉えている。
表面的な美しさと、音楽の内面にある魂が極めて高い次元で結びついていると言える。
所謂北欧色は薄いので北欧系の指揮者とは趣は異なるが、素晴らしいことには変わりはなく、神秘的な響きとスケール感溢れる名演がたっぷりと堪能できる録音として、筆者としては、あらゆるシベリウスの交響曲演奏の中でもトップの座を争う至高の名演と評価したい。
併録の管弦楽曲2曲もカラヤンが何度も録音した楽曲であるが、本盤の演奏が随一の名演。
特に、「タピオラ」の演奏の透徹した美しさはこの世のものとは思えない高みに達しており、おそらくは同曲の演奏史上最高の超名演と評価したい。
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