2015年01月16日

トスカニーニ・ラストコンサート


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



1954年4月4日 カーネギーホール、ニューヨークに於けるステレオ/ライヴ録音。

トスカニーニのワーグナーとしては、他にもっと状態のいい演奏はあるが、本盤は次の2点で大いに価値のある名盤ということが出来るだろう。

その第1は、トスカニーニにとって2点しかない稀少なステレオ録音であること、第2は、トスカニーニによる最後のコンサートの記録ということだ。

ステレオ録音という点については、さすがに臨場感が違う。

先般には、この演奏の数年前に演奏されたワーグナーの管弦楽曲集のXRCDが発売されたが、全く問題にならない。

もちろん、本盤においても、録音の古さから微妙な音割れなども散見されるが、衰えは見られるものの随所にこれぞトスカニーニならではの本物のカンタービレを満喫できるのは、まさに本盤がステレオ録音であるが故と言えるであろう。

トスカニーニの最後の録音という点については、確かに、統率力に綻びが見られるのは否めない事実だろう。

山崎浩太郎氏の解説はいつもながら明快かつ詳細で、ある意味で色々な伝説や憶測、噂、伝聞で様々に(好き勝手に)語られているこのコンサートの周辺と実情を的確にリポートされている。

しかしながら、山崎氏による懇切丁寧なライナー・ノーツによれば、「タンホイザー」の序曲とバッカナールの中途で指揮が止まったということであるが、それでもオーケストラによる演奏が滞りなく続けられたのは、巨匠ならではのオーラによるものと言えるのではないだろうか。

「タンホイザー」の中断、そして「ホール全体が恐ろしい沈黙に包まれた…云々」も誤情報だったようだ。

したがって、いくつかの瑕疵は散見されるものの、決してトスカニーニの勇名を陥れるような駄演には決してなっておらず、むしろ、トスカニーニと手兵であるNBC交響楽団の強固な絆を感じさせる演奏として高く評価したい。

なお、リハーサル風景も収められているが、トスカニーニのリハーサルの厳しさを認識させてくれるものとして貴重な記録であると言えよう。

録音は、復刻のノイズの無さと正確な音質に定評がある名人、中山実氏の復刻音である。

モノーラル・イメージが強烈なトスカニーニだが、広がる大音響に驚きで音そのものは、きつさの無い自然な音質である。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 20:54コメント(0)トラックバック(0)トスカニーニ | ワーグナー 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ