2015年01月13日

ギレリス&ベームのモーツァルト:ピアノ協奏曲第27番、2台のピアノのための協奏曲


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モーツァルトが死の年に書いた最後のピアノ協奏曲は、晩年の彼特有の清澄な作品として知られており、その作品の本質を的確に捉えた詩情溢れる演奏として高い評価を得たアルバム。

本盤が録音された1973年は、巨匠ベームがまだまだ数々の名演を成し遂げていた時期である。

当時、ドイツの正統派の巨匠と目されていた全盛期のベームと、これまた当時絶頂期にあった鋼鉄のピアニストであるギレリスの組み合わせ。

一見すると水と油のような関係、しかもベームのモーツァルトのピアノ協奏曲第27番には、バックハウスと組んだ歴史的名盤がある。

このような数々のハンディに鑑みると、本演奏の不利は否めないところであるが、聴き終えてそれは杞憂に終わった。

意外にも、この組み合わせはなかなかに合うのである。

ベームは、いつものように厳しい造型の下、重厚でシンフォニックな演奏を行っている。

派手さはなく、スコアに書かれている音符を真摯にかつ重厚に鳴らしていくという質実剛健たるアプローチだ。

それでいて、モーツァルトに不可欠の高貴な優美さにも不足はなく、全盛期のベームならではの名演と言えるだろう。

ギレリスも、ベートーヴェンの演奏で見せるような峻厳さはなく、モーツァルトの楽曲に相応しい繊細で優美なタッチを見せている。

特に第2楽章は1音1音を慈しむかのように大事に奏されていて、まるで子供が弾いているかのように純真無垢な演奏である。

いや、むしろ小さな子供を慈しむ親の心境と言えるかもしれない。

バックハウスの演奏の影に隠れがちであるが、ギレリスのこの演奏も素晴らしい魅力を持ったものであり忘れてはならない演奏である。

まさに意外な組み合わせによる異色の名演と評価したい。

2台のピアノのための協奏曲も、同様のアプローチによる名演で、特にギレリスの愛娘であるエレーナ・ギレリスのピアノが聴かれるのも貴重だ。

実の親子による演奏のためか、息のピッタリとあったと思える演奏である。

ベートーヴェンの演奏で見せる切れのある、力強い面とは異なるギレリスの一面がこれらの演奏から読み取れるのではないだろうか。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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