2015年02月13日

イダ・ヘンデル&ラトルのシベリウス&エルガー:ヴァイオリン協奏曲


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半ば伝説的なヴァイオリニストのイダ・ヘンデルが若きラトル共演した2つのライヴ(シベリウスは1993年、エルガーは1984年)の録音をまとめたCD。

女流ヴァイオリニストの大御所であるイダ・ヘンデルのシベリウスのヴァイオリン協奏曲は、ライナーによると、作曲者シベリウスのお墨付きを得ていたとのことであるが、作曲家自身が演奏を聴いて自分の協奏曲の「またとない解釈者」と讃えたほどの奏者の演奏を現代を代表する指揮者との共演で聴けるというのは、まさに自分自身が歴史の証人になっている気分になる。

本盤の演奏自体も素晴らしく、聴いていると、他のヴァイオリニストの演奏とは一味もふた味も違うと思う。

その違いは、テンポが実にゆったりとしていること、そして、旋律をくっきりと浮かび上がらせて、1音1音を噛み締めるように演奏している点だ。

したがって、シベリウスがスコアに記したすべての音符が克明に表現され、他の演奏では霧がかかっていたような印象を受ける箇所にも光を当てた点を評価したい。

イダ・ヘンデルのヴァイオリンは聴き手をぐいぐいと力強く引き込んでいき、この曲の持つ深みを余すことなく伝えてくれる。

聴いているうちに音楽とそれの生み出す空気感そのものに没入してしまう感じの演奏だ。

ヴァイオリンの音色も北欧の冷涼な空気にふさわしく、演奏も北欧風のロマンティックな情緒を思わせる。

もちろん、シベリウスの楽曲の性格から、イダ・ヘンデルの演奏様式がベストかどうかはわからないが、作曲者本人がその演奏を評価している点は銘記する必要があるだろう。

他方、エルガーのヴァイオリン協奏曲は、名曲であるにもかかわらず、チェロ協奏曲に比較すると、録音の数があまりにも少ない。

したがって、ヴァイオリン協奏曲を演奏する人は、よほどの自信と確信のある者に限られ、その意味では、録音された演奏は名演であることが多い。

本盤も、そうした名演の列に連なる資格のある気品のある名演と言うことが出来よう。

本演奏は同曲の魅力を再認識させるものであり、聴き応え十分でこの曲の魅力を余すことなく伝えていると思う。

両曲とも、若いラトルがサポートしているが、いずれの演奏も見事で、イダ・ヘンデルに敬意を払うかのように彼女のヴァイオリンを引き立てつつ見事に一体となった演奏を聴かせる。

何歳も年上のイダ・ヘンデルと互角に渡り合っている点に、今日の偉大な指揮者への道を歩み続けるラトルの姿を垣間見る思いがする。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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