2015年01月20日

小澤&ボストン響のフォーレ:管弦楽作品集


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フランス系の音楽を十八番とした小澤ならではの素晴らしい名演だ。

東洋人独特の繊細な感性が不思議とフォーレのフランス的抒情の琴線と共鳴しているようであり、このフォーレ管弦楽作品集でも洗練された演奏を聴かせてくれる。

とにかくオケのサウンドが美しく、音楽そのものに素直に語らせたゆえにこれだけの演奏ができたのだろう。

劇音楽「ペレアスとメリザンド」は、小澤の卓越した演出巧者ぶりが際立つ。

繊細な抒情から強靭なトゥッティの迫力に至るまで、表現の幅は桁外れに広く、実に内容豊かな音楽を構築している。

小澤は、有名なシシリエンヌなど、フォーレの作曲した絶美の旋律の数々を徹底的に歌い抜いており、その切ないほどの郷愁、メロディの歌わせ方には胸を打たれる。

かと言って、徒に感傷的に陥ることはなく、フランス風の瀟洒な味わいさえ感じられる高踏的な美しさを保っているのが素晴らしい。

これは、本場フランスの指揮者でさえ凌ぐセンス満点の卓越した指揮芸術の賜物と言えるだろう。

ソプラノのハントの歌唱も実に優美であり、本名演に華を添えている点も忘れてはならない。

「夢のあとに」と「エレジー」は、何よりもエスキンによるチェロが美しさの極みであり、小澤も、チェロとともに極上の音楽を紡ぎ出している。

パヴァーヌに至っては、味わい深いオーケストラと壮麗な合唱の絶妙の組み合わせが至高・至純の美を形成しており、あまりの切ない美しさに涙なしでは聴けないほどだ。

組曲「ドリー」は、原曲がピアノ曲であり、フォーレ自身の編曲ではないが、フォーレならではの叙情豊かな魅力は他の諸曲にもいささかの引けも取らない。

テレビ東京の「生きるを伝える」でも有名な子守歌など、親しみやすい旋律が満載の魅力作だ。

小澤は、ここでも、持前の表現力の豊かさと演出巧者ぶりを発揮して、曲想を巧みに描出していくが、随所に聴かれるフランス風のエスプリ漂う瀟洒な味わいは、筆舌には尽くし難い高みに達している。

ボストン交響楽団やタングルウッド音楽祭合唱団も、小澤の統率の下、最高のパフォーマンスを示している。

SHM−CD化によって、音質は明らかに鮮明になるなど向上しており、この卓越した名演を素晴らしい高音質で味わうことができることを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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