2015年01月21日

小澤&ボストン響のプロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」


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小澤&ボストン響時代を代表する素晴らしい名演だ。

小澤は、バレエ音楽の全曲版としては、本盤の8年前にもチャイコフスキーの「白鳥の湖」を録音した。

そのレビューにおいて、筆者は、ウィーン国立歌劇場のシェフとなる大指揮者小澤への確かな道程を感じると記したが、本盤は、「白鳥の湖」よりも更に優れた名演。

小澤は、かかる道程を着実に歩んでいることがよくわかる演奏だ。

小澤は、本盤の直後に、ベルリン・フィルとともにプロコフィエフの交響曲全集を録音するなど、プロコフィエフを自家薬籠中の作曲家としており、そうした点から来る自信と風格が、本盤の演奏全体に漲っている。

プロコフィエフの管弦楽曲の特徴として、不協和音を駆使したいわゆる音の濁りというものがあるが、小澤は、それを決してオブラートには包まない。

どの箇所もスコアに記された音符のすべてを鳴らすことに腐心しているようである。

それでいて、重々しくなることはなく、さりとて洗練され過ぎるということもなく、剛柔バランスのとれたシンフォニックな演奏を行っている点を高く評価したい。

小澤の優れた特徴として、卓越した音楽性に去来するリズム感があるが、例えば、第1幕の第15曲のマーキュシオでは、軽快でリズミカルな音楽の中に瀟洒な味わいがあるし、第18曲の客人たちの退場における、古典交響曲から引用された旋律の躍動感が素晴らしい。

また、小澤の舞台人としての演出巧者ぶりも健在で、例えば、第2幕においては、第24〜第27曲及び第30〜第31曲の小気味のいいリズミカルな音楽と、第28曲及び第29曲の情感溢れる美しい音楽との思い切った対比など、テンポ設定の緩急やダイナミックレンジの幅広さを駆使して、実にドラマティックな音楽を構築している。

第3幕における第41曲以降のジュリエットの心象風景の描写は素晴らしいの一言であり、第4幕のロメオの死の切れ味鋭い慟哭の音楽には戦壊を覚えるほどだ。

第52曲のジュリエットの死は、至高・至純の天国的な美しさに満ち満ちている。

ボストン交響楽団も、小澤の統率の下、最高のパフォーマンスを示しており、金管楽器や木管楽器の技量には卓抜としたものがある。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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