2015年02月07日

ポリーニのショパン:24の前奏曲(旧盤)


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ポリーニにはショパンへのこだわりがある。

1960年、弱冠18歳にして第6回ショパンコンクールを満場一致で完全制覇し その時、審査委員長を務めていたアルトゥール・ルービンシュタインが彼を評して、「技術的には 私たちの誰よりも上手い」と絶賛したのは有名な逸話だ。

そして彼の全レパートリーを見ても自ら価値のあるものと認めたものしか演奏していない。

この24の前奏曲でも、1曲1曲がミニアチュール的捨てがたい美しさを持ち、全体でショパン音楽のパノラマともなっているこの愛すべきこの曲集を、ポリーニは実に鮮やかに弾いている。

本演奏を評価するか、それとも評価しないのかで、ポリーニに対する見方が大きく変わってくることになると思われる。

確かに、本演奏で顕著な超絶的な技量は素晴らしく、まことに繊細華麗、そして多様な気分を的確につかんでいる。

おそらくは、古今東西のピアニストの中でも、前奏曲を最高に巧く弾いたピアニストということになるとも言える。

あくまでも緻密、どこまでも繊細なショパンを聴かせており、速いパッセージでも崩れることなく1音1音の輪郭をちゃんと見せてくれるのは流石としかいいようがない。

しかしながら、本盤のようなSHM−CD盤ではなく、従来CDで聴くと、ピアノの硬質な音と相俟って、実に機械的な演奏に聴こえてしまうのだ。

まるで、機械仕掛けのオルゴールのようなイメージだ。

ところが、ピアノ曲との相性が抜群の本SHM−CD盤で聴くと、印象がかなり異なってくる。

音質が、いい意味で柔らかくなったことにより、少なくとも、無機的な音が皆無になったのが素晴らしい。

必ずしも、楽曲の内面を追求した深みのある演奏とは言い難いが、それでも、随所に細やかな表情づけを行っていることがよく理解できるところであり、名演との評価は難しいものの、個性があまりないという意味では、同曲への入門用のCDとして最適の演奏には仕上がっていると言えるのではないか。

もっとも、このような評価は、プロのピアニストにとって、芳しいものではないことは自明の理である。

本盤は、今から35年以上も前の録音であり、近年、夜想曲集などで名演を成し遂げているポリーニのこと、既に、24の前奏曲の再録音を果たし、本盤とは次元の異なる名演を成し遂げた。

ポリーニのショパン:24の前奏曲(新盤)

それは、1音1音磨きぬかれた美しい音、感情のみに流されること無く、それをきちんとコントロールする理性、24曲を通しての構築力などを兼ね備えた、ポリーニというピアニストが持つ美点が、最大限に発揮されたアルバムが誕生したのである。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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