2015年02月12日

ポリーニのショパン:夜想曲集


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甘美で夢見るようなサロン風の趣を湛えた、映画に用いられて多くの人々の心を捉えた第2番、独特の旋律の美しさと、流麗でしっとりした深い情感を湛えた第5番、イギリスの作曲家ジョン・フィールドに影響されて作曲されたといわれる、旋律の美しさと深い情感を湛えた甘美で夢見るようなショパンの夜想曲集。

豊かな情緒性や詩的な趣が横溢する優美で詩的な作品を理想的に再現し、新たな息吹を注ぎ込んだマウリツィオ・ポリーニの演奏で楽しめる1枚。

1つ1つ熟考を重ねながら、その録音レパートリーを増やしているマウリツィオ・ポリーニが、ついにショパンの夜想曲を録音した。

そもそもショパンコンクールのときから彼は夜想曲を弾いているし、その後のライヴでも何度となく夜想曲から取り上げてきたので、そのこと自体はさほど驚くことではないかもしれない。

しかし、デビュー当時のポリーニの録音と比べると、さすがに大きな違いを感じる。

なんといっても多彩なアゴーギクを使い、色鮮やかに旋律を歌わせているという点は、ポリーニというピアニストにして、やはり新鮮に聴こえるのだ。

これは、もちろん夜想曲というショパンのハートの最も抒情的な面をあらわした作品群にアプローチするとき、決して避ける事ができないということもあるが、それ以上にポリーニ自身が歌っているという実感のあるアルバムであり、近年の録音の中でもまた少し違う感興を聴き手に与えるに違いない。

ショパンは甘いというのは、夜想曲を聴いてからのイメージだが、ポリーニは甘美なものに流されない、クールな感覚で演奏しており、甘く感傷的なショパンが苦手な方は必聴のアルバムである。

この演奏は、かつて従来CD(輸入盤)で聴いた際には、大した演奏ではないとの感想を持ち、長い間、CD棚の中で休眠状態に入っていたが、今般、SHM−CD盤が発売されるに当たり、あらためてもう一度聴き直すことにした。

SHM−CDとピアノ曲との抜群の相性もあり、従来CDでは、無機的にさえ感じられた、ポリーニの透明感溢れる切れ味鋭いタッチが、いい意味で柔らかい音質に変容した。

かつて、フルトヴェングラーは、トスカニーニのベートーヴェンを指して、「無慈悲までの透明さ」と言ったが、ポリーニの演奏するピアノ曲にも、同じような演奏傾向があると言えよう。

しかしながら、本盤の高音質化CDを聴いていると、それは録音のせいもあるのではないかと思えてくる。

それくらい、本SHM−CD盤に聴くポリーニのピアノには、血も涙もある情感の豊かさに満ち溢れている。

スタジオ録音でありながら、時折、ポリーニの歌声も聴こえるなど、ポリーニのショパンの夜想曲に対する深い理解と愛情をも感じさせられ、実に感動的だ。

ここには、かつて前奏曲やエチュードの録音において垣間見せられた機械じかけとも評すべき技術偏重の無機的なアプローチは微塵も感じられない。

その『硬質』の音でできた構築物の見事さに驚くばかりで、ポリーニもいよいよ円熟の境地に達したと言えるだろう。

やはりショパン演奏において、このピアニストの録音は目が離せないものであると納得させられたところであり、全てにおいてレベルが高いポリーニの演奏の中でも筆者としては3指に入る名演だと思う。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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