2015年02月21日

スメタナSQのドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」/チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番(1966年盤)


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弦の国チェコの名門、スメタナ四重奏団は緊密な中にも自在な表現でドヴォルザークの音楽を生き生きと自然に紡ぎ出している。

スメタナ四重奏団は、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」を果たして何度演奏し、録音したのであろうか。

スメタナ四重奏団によるドヴォルザークの「アメリカ」は1958年のモノラル録音のセッション以来、解散直前の1987年のデジタル・ライヴ盤を含めて都合5種類がリリースされている。

ヴァーツラフ・ノイマンを始めとするプラハ音楽院時代の仲間達で四重奏団が結成されたのは1945年だが、1956年以降はメンバーの交代もなく4人揃って32年の長きに亘ってアンサンブルを組み、常に第一線の水準を保ち続けたこと自体驚異的な事実だ。

本盤の録音は、1966年であり、スメタナ四重奏団としては初期の録音になるのであるが、他の録音にも優るとも劣らない素晴らしい名演と高く評価したい。

この演奏では彼らの壮年期の力強さと、第1回目の録音時の若さに溢れた溌剌とした覇気を併せ持った表現が秀逸で音質も良好だ。

スメタナ四重奏団には、聴き手を驚かすような特別な個性があるわけではない。

彼らの演奏の特徴はメンバーの1人1人が自由闊達な演奏をしながら、アンサンブルとして完璧に統率されていることで、またチェコの弦楽器奏者特有の明るく艶やかな音色と決して重厚になり過ぎない表現の中庸さにあると思う。

あくまでも、楽曲を真摯な姿勢で忠実に弾いて行くという、いわゆるオーソドックスなアプローチを旨としているが、素晴らしいのは、息のあった各奏者の鉄壁のアンサンブルと、チェコ風のローカル色豊かな美しい音色だ。

そのあたたかささえ感じさせる音色と鉄壁のアンサンブルによって、演奏したいずれの楽曲にも、潤いと温もりを与えることになるものと思われる。

したがって、アプローチがオーソドックスなものであっても、平板な演奏にいささかも陥らないのは、こうした点に理由があるものと考える。

第5回目のライヴは彼らの円熟期特有の角がとれた、音楽的にも深い味わいのある演奏で聴き逃せないが、こちらの方がドヴォルザークの斬新な曲想に、より相応しい鮮烈な表現が魅力的だ。

一方、第2楽章〈アンダンテ・カンタービレ〉が特に有名なチャイコフスキーも名演で、情緒に溺れない節度ある演奏は美しい限り。

1966年にスメタナ四重奏団が残した唯一のセッションでそれだけでも貴重な録音だが、調和のとれた美しい演奏だ。

チャイコフスキーの場合は、旋律のあまりの美しさ故に、いたずらに感傷に陥ったりして、芸術作品としての格を落としかねない危険性を孕んでいるが、スメタナ四重奏団の手にかかると、高踏的な美しさを失わないのが見事だ。

HQCD化によって、音質がさらに鮮明になったのも素晴らしく、従来盤に比べて音の分離が良くなり、全体的に音質も雑身がとれて聴き易くなった印象が持てる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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