2015年01月26日

ジュリーニのヴェルディ:レクイエム、聖歌四篇


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フィルハーモニア管弦楽団と豪華なソリスト陣の共演を得て実現した若き日のジュリーニならではの壮絶な歴史的名演。

ヴェルディが畏敬した作家マンツォーニの追悼に捧げた大作・レクイエムを、ジュリーニは壮麗な聖堂さながらのスケール感と染み入る静謐さで表現している。

ジュリーニと言えば、最晩年のゆったりとしたテンポ(中には、常識はずれのスローテンポの演奏もあり)による巨匠風の名演の数々のイメージが強いために、温厚篤実な演奏をする指揮者との印象を持たれがちであるが、若き日、特に1960年代の演奏は、凄まじいまでの迫力溢れる豪演の数々を行っていた。

本盤は、そうしたジュリーニの若き時代の芸風を端的に表しているものと言えるところであり、録音当時、まだ40代後半だったジュリーニが、ヴェルディのオペラを彷彿とさせるドラマティックな演奏を繰り広げている。

気力の充実しきったジュリーニの指揮は、テンポ、リズムに躍動感があるが、壮大さ、宗教的雰囲気にも欠けておらず、最高のソリスト・オーケストラをよくコントロールし、ヴェルディの「オペラ的なレクイエム」を表現している。

ジュリーニは、数多くのイタリアオペラを指揮・録音しているが、本盤でも、そうしたイタリアオペラを得意としたジュリーニならではの歌謡性豊かな指揮と、若き日の生命力溢れる力強い指揮が見事にマッチングして、いい意味でのバランスのとれた至高の名演を成し遂げるのに成功している。

カラヤンやクレンペラーの薫陶を受けていた、黄金時代のフィルハーモニア管弦楽団や、合唱団や独唱陣も最高のパフォーマンスを示している。

特に、シュヴァルツコップ、ルートヴィヒ、ゲッダ、ギャウロフというオールスター歌手陣の最盛期の歌唱がとても魅力的だ。

「思い給え」以下は、レクイエムとは思えないような、甘美で天上の世界を思わせるアリアが続く。

聖歌四篇も、レクイエムに優るとも劣らない超名演であると高く評価したい。

本盤で惜しいのは録音。

大音量の際に音が歪むということで、特に、レクイエムではそうした欠点が著しく、「怒りの日」でオケと合唱の怒濤の場面ではダイナミックレンジを若干割ってしまっている。

HQCD化によっても、そうした欠点がいささかも改善されなかったのは、演奏が素晴らしいだけに大変残念だ。

それでもかつての半分の価格でこのような芸術的な価値の高い作品を享受できるのはありがたいことである。

ヴェルディ生誕150年メモリアル・イヤー当時の熱気が伝わる素晴らしいアルバムである。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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