2015年02月01日

オイストラフ&セルのブラームス:ヴァイオリン協奏曲


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オイストラフとセルの両者の晩年の録音であるが、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の演奏史上、トップの座を争う名演だ。

オイストラフはその骨太で温かみのある、風格を備えたヴァイオリニストとして評価されたロシアの大ヴァイオリニストである。

この演奏でも力強く、大きな風格を備えたヴァイオリンが聴かれるし、明るすぎず、洗練されすぎない音色と響きはブラームスにぴったりである。

オイストラフのヴァイオリンのソロは、アタックは鋭いが、全体としてのびやかで艶があり、安定したオーケストラ表現にすべてをまかせきったおおらかさも相俟って、この曲の最高の表現といってよい。

そのオーケストラは、20世紀最高レベルのオーケストラと言えるジョージ・セル指揮のクリーヴランド管弦楽団で、厳しくトレーニングされた合奏の見事さと各パートの音色の美しさとで、この曲の交響曲的な魅力を存分に引き出している第一級の演奏である。

セルの指揮も精緻で力強いが、モーツァルトの交響曲の演奏などで見せる洗練された響きはここでは影を潜めており、この曲を演奏する場合はこちらの方がしっくりくる。

オイストラフは、本盤の数年前にクレンペラーとともに同曲を録音しているが、そちらの方は名演ではあるものの、どちらかと言えば老巨匠クレンペラーのゆったりとした巨像の歩みに、いささかではあるが、オイストラフとしても自由で伸びやかな演奏を妨げられた感があった。

それに対して、本盤の演奏は、指揮者と独奏者が互角の演奏を行っている。

ただ、互角と言っても、火花が散るような、いわゆる競奏曲にはなっていない。

セルが最晩年になって漸く到達した枯淡の境地と、オイストラフの伸びやかにして情感豊かなヴァイオリンが、至高・至純のハーモニーを奏でている。

すみずみまで神経が行き届いていて、それでいて全体の構成がしっかりした演奏で、さらに円熟味を増しながら瑞々しい情感にも不足なく、真正面からこの名作に向き合った、さらに精度の高いものであり、この協奏曲の理想的な名演と言って過言ではないだろう。

ただし録音がお世辞にもあまり良いとは言えない。

EMIの録音は総じてあまり良いとは言えないのだが、この録音ではトゥッティの部分などで音が割れてしまっている箇所が幾つかある。

また、オーケストラとヴァイオリンの音量のバランスが若干不安定である。

古い録音であるから仕方ない事であるが、やはり素晴らしい演奏であるから、できればSACD化してもらうなど、良い音質で聴きたいものである。

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classicalmusic at 22:37コメント(0)トラックバック(0)オイストラフ | セル 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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