2015年09月14日

今井信子&タカーチ=ナジのバルトーク:ヴィオラ協奏曲、シェーンベルク:浄夜、ヒンデミット:白鳥を焼く男


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いずれも20世紀に活躍した作曲家の作品をラインナップした世界的ヴィオリスト、今井信子の渾身の意欲作。

しかも、バルトークとヒンデミットのオーケストラ伴奏の傑作とくれば、必聴の1枚と言えよう。

バルトークとヒンデミットによるヴィオラのための協奏曲を前後におき、中間に豊かな情念をたたえた美しいシェーンベルクの『浄夜』を置くというカップリングの妙にも感心させられる。

日本を、そして世界を代表するヴィオラ奏者となった今井信子は、アルバムにも名演が多いが、今回の演奏も秀逸で、聴き慣れない作品ではあるけれど、品格のある演奏で作品の魅力を引き出している。

今井信子は、ヴァイオリンとチェロの間にあって地味な存在に甘んじているヴィオラの魅力を世に広めようと地道に活動しながら、ヴィオラのレパートリー開拓に大きく貢献してきただけに、彼女にとっても本盤の組み合わせは会心の1枚ということになるであろう。

先ず、バルトークのヴィオラ協奏曲であるが、いかにも今井信子らしく、繊細で丁寧な音楽づくりだ。

それでいて、起伏に富んだ同曲の各楽章の描き分けも実に巧みに行っており、彼女の表現力の幅の広さを痛感させられる。

また、これまで使用されてきたシェルイによる補筆完成版ではなく、1995年に出版された新校訂版による初録音であるが、このヴァージョンは、バルトークの残した草稿に立ち返ることで、シェルイ版を見直し、大小いくつかの変更をおこなったというもので、よりバルトーク的な方向を目指したというのも、本演奏の価値をより一層高めることに貢献している。

今井信子がからんでいない『浄夜』は弦楽合奏版であり、本版にはカラヤン&ベルリン・フィルによる超弩級の名演があるだけにどうしても旗色が悪いが、タカーチ=ナジ指揮ジュネーヴ高等音楽学校の学生による弦楽合奏は、メリハリの利いた重厚な音楽づくりを行っており、非常にこなれた演奏で充実していて、実に聴きごたえのある佳演に仕上がっている。

ヒンデミットは、民謡を素材としているだけに、ヒンデミットにしては非常に親しみやすい旋律に満ち溢れた作品であるが、今井信子は、このような作品でも耽溺には陥らず、どこまでも格調の高さを失わない点を高く評価したい。

音質も実に優秀で、これだけ低音を巧みに捉えた録音も、通常CD盤にしては珍しいと思われる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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