2015年01月28日

ヴァント&ミュンヘン・フィルのブルックナー:交響曲第6番


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ブルックナーの「第6」は隠れた名曲である。

いわゆるブルックナー指揮者でも、「第3」〜「第5」や「第7」〜「第9」はよく演奏会で採り上げるものの、「第6」はあまり演奏しないということが多い。

作品の質の高さからしても、これは大変残念なことと言えるだろう。

そのような中で、ヴァントは、この「第6」を積極的に演奏してきた指揮者である。

これまでの最新録音は、CDでは1995年盤、DVDでは1996年盤が知られ、いずれも手兵の北ドイツ放送交響楽団とのもので、いずれも名演と言えるものであった。

本盤は、1999年の録音であり、今のところ、ヴァントが遺した「第6」の最後の録音ということになるが、ヴァントの「第6」としては、前述の1995年盤や1996年盤を超える間違いなく最高の名演であり、他のヨッフムの旧盤やアイヒホルン盤などと比較しても本盤の方がはるかに格が上。

ということは、現存する数々の「第6」の名演中、史上最高の超名演と言っても過言ではあるまい。

第1楽章など、金管を思いっきり力強く吹かせているが、決して無機的にはならず、アルプスの高峰を思わせるような実に雄大なスケールを感じさせる。

それでいて、木管楽器のいじらしい絡み合いなど、北欧を吹く清涼感あふれる一陣の風のようであり、音楽の流れはどこまでも自然体だ。

第2楽章は、音楽評論家の宇野氏が彼岸の音楽と評しておられたが、本盤の演奏こそがまさに彼岸の音楽であり、ヴァントとしても、死の2年前になって漸く到達し得た至高・至純の境地ではないだろうか。

「第6」は、第3楽章や第4楽章のスケールが小さいと言われるが、ヴァントの演奏を聴くと決してそうは思えない。

スケルツォの宇宙のひびき、各楽器のフレッシュな色の出し方、まことに美しくも意味深く、中間部では木管による「第5」のテーマの高級なフレージングに打たれた。

終楽章など、実に剛毅にして風格のある雄大な演奏であり、まことに綿密である。

抉りの効いた強音部と思いやりにみちた弱音部の歌が対比され、内容の深さと音楽美が、いつもブルックナーの音楽の森羅万象を語りかけてゆく。

特に、第2楽章の主題が回帰する箇所のこの世のものとは思えないような美しさで息もつかせない。

演奏終了後、ただちに拍手が起きないのも、他の「第4」や「第8」などの場合と同様であり、当日の聴衆の深い感動を窺い知ることができる。

ヴァントは、2002年にベルリン・フィルと「第6」を演奏する予定だったとのことであるが、その死によって果たせなかった。

本盤の演奏を超えるような名演を成し遂げることが出来たのかどうか、興味は尽きない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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