2015年02月19日

マゼール&ウィーン・フィルのシベリウス:交響曲全集


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非常にユニークで魅力あふれる全集。

ベルグルンドやヴァンスカの全集に親しんでいる人も、是非一度耳にしていただきたい。

マゼールは、演奏様式をたびたび変えてきた指揮者であるが、1960年代のマゼールは、現代的で尖鋭的なアプローチと、曲の本質に切り込んでいく前進性が見事にマッチングして、個性的な名演を数多く残してきた。

もちろん、曲によってはやり過ぎのものもあるが、特に、ウィーン・フィルやベルリン・フィルと組んだものは、オーケストラの力量もあって、名演が生まれる可能性が非常に高かった。

その一例が、マゼール&ウィーン・フィルによるシベリウスの交響曲全集で、基本的に熱烈と言ってよいほど込められたメッセージが熱い。

素朴な原産地直系の自然体演奏とは、一線を画す、というよりも対極にあるのが当盤のアプローチで、北欧のひんやり感とか、寒々とした雰囲気とは隔絶している。

ここに聴かれるのは「北欧の繊細な情景」ではなくて、地の底から突き上げるようなエネルギッシュな和音であり、色彩感あふれる管弦楽法である。

マゼールの指揮により、シベリウスの音楽がチャイコフスキーやブルックナーの延長線上にあることが改めて良く分かる。

きつく堅く締め上げられたようなフォルムに、ウィーン・フィルの緊迫サウンドが刺激たっぷりの音彩を付加した、少々やり過ぎなくらい強烈な印象を与える個性派名演と言えよう。

粗野なまでの迫力で押してくる演奏で、ここまでウィーン・フィルを手玉にとるマゼールは凄いとも言える。

あのウィーン・フィルを使って、ここまで自分の思いを表現しているマゼールの手腕は大したものだ。

北欧風という意味では、かなり異なった性格の演奏であるが、楽曲の本質にぐいぐいと迫っていく鋭いアプローチが見事であり、シベリウスの交響曲の我々が通常の演奏ではなかなか知りえない側面に光を当てた異色の名演ということができる。

北欧的な冷え切った空気感を感じさせる本場物のオーケストラによる演奏も良いが、こういう情熱のほとばしる熱血的で激しく燃えたぎった演奏もたまには聴きたい。

後年に、マゼールはピッツバーク交響楽団と全集を録音しているが、とても、このウィーン・フィルとの全集の水準には達していない。

いずれの交響曲も一聴の価値のある名演揃いであるが、特に、「第1」が超名演で、マゼールの底知れない異様な才能がヒシヒシと伝わってきて身震いする。

録音は、英デッカならではの鮮明なもので、アナログ的な、温もりをもった音像で現在主流のデジタル的なシャープな音像とは違うが、オーケストラの立体分離がよい優秀録音だと思う。

シベリウス交響曲のベスト盤かと聞かれると答えるのに躊躇するが、楽しめるCDであることは間違いない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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