2015年01月30日

ケンペ&ミュンヘン・フィルのベートーヴェン:交響曲第7番、第8番


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名指揮者ルドルフ・ケンペの巨匠ぶりを堪能できる名演で、彼独自の、そしてあくまでも自然体の演奏を収録した作品。

どの楽章にも明確なリズムが刻印される「第7」においてはケンペの棒は他の交響曲同様、奇を衒った表現を排除し、しっかりと大地を踏み歩くように着実に前進する。

その結果、どんな強烈な演奏にもひけをとらない、彼だけの「第7」が展開されている。

「第7」は、冒頭から実に柔和なタッチでゆったりとしたテンポをとる。

主部に入っても、テンポはほとんど変わらず、剛というよりは柔のイメージで第1楽章を締めくくっている。

第2楽章は、典型的な職人芸であり、決して安っぽい抒情に流されない剛毅さが支配している。

第3楽章は雄大なスケールとダイナミックな音響に圧倒される。

終楽章は、踏みしめるようなゆったりめのテンポと終結部の圧倒的な迫力が見事だ。

30年以上同曲を聴いた中でフルトヴェングラー、カルロス・クライバー、ブロムシュテット、ワルター、ベーム、カラヤン、クーベリック他数えきれない指揮者の演奏に出会った。

どれも素晴らしい演奏であるが、取り分けカルロス・クライバーの来日公演にはあの躍動感あふれる演奏はとても衝撃を受けた。

でも、なぜかしばらくするとケンぺの演奏を聴きたくなる。

そこには、理屈がない。

たぶん、ケンぺのつくる音楽が素直に筆者の耳に、身体に入ってくるのであろう。

ケンぺを好きになった人は多分同じだと思う。

「第8」は、中庸のテンポで、ベートーヴェンがスコアに記した優美にして軽快な音楽の魅力を、力強さをいささかも損なうことなく表現している。

コンパクトにまとめられた「第8」においても、ケンペはあくまで自然体、浮ついた表現には一切目を向けず、自らの道を歩み続ける。

曲の隅々まで目の行き届いた、それぞれの声部や楽器に「役をきちんと演じさせる」手抜きのない細工のきめ細やかさが、時にははっとするような瞬間を見せながら行き渡っている。

両曲ともに、ベートーヴェンを決して威圧の対象にせず、ベートーヴェンの音楽の美しさ、そして力強さをそのまま伝えようとする、まさにドイツ音楽の王道を歩んできたケンぺならではのいぶし銀の名演と評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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