2015年02月02日

バーンスタイン&ニューヨーク・フィルのショスタコーヴィチ:交響曲第5番(1979年来日公演盤)/ヨーヨー・マ&オーマンディのチェロ協奏曲第1番


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ショスタコーヴィチの「第5」については、筆者としてはムラヴィンスキー盤を唯一無二の名演と高く評価してきたが、バーンスタイン盤も著しく世評が高いため、無視するわけにはいかない。

バーンスタインの2度目の録音であるが、旧盤に比較して、全体の解釈にはあまり変更はないものの、抒情的な箇所ではより繊細な表現を見せるなど、外面的な効果や受けを狙った派手な音出しなどしない音楽に深く入り込んでゆくような演奏が展開され、彫りの深い演奏になっている。

バーンスタインは、スタジオ録音よりライヴのほうが本領を発揮するのかもしれないと思うような腹にズシリと響く怒涛のように押し寄せる快感、観客もあまりの迫力に静まり返っているような緊張感が素晴らしい。

特に、第3楽章において、そのような表現が顕著であり、ライヴならではの熱気も相俟って、実に感動的な名演を成し遂げている。

バーンスタインの「第5」の特徴として揚げられるのは終楽章の終結部。

初演者のムラヴィンスキーをはじめ、ほとんどの指揮者がゆったりとしたテンポで壮大に締めくくるが、バーンスタインは快速のテンポで突き進む。

ただ、例えばマゼールのように、素っ気ない感じはいささかもなく、快速のテンポの中に熱い血が通っているのは、さずがと言うべきであろう。

暗くて、ひねくれて、爆発もし、嘆き、皮肉、辛辣な批判、暗号と、生きる為に迎合もせざるを得なかったショスタコーヴィチの音楽、また、バーンスタインの代表的名盤とも言えるだろう。

ニューヨーク・フィルの音はとても明るく、特に管楽器は色彩豊か、そのキラキラした音で深刻な曲を演奏すると表現主義的な特徴が強調されてとてもいい。

ベストの演奏であるかどうかは別として、一発勝負の録音で聴衆を感動させる完璧な演奏は作曲家でもあるバーンスタインという天才指揮者でないと不可能といっても言い過ぎではないであろう。

併録のチェロ協奏曲は、ヨーヨー・マのチェロが実に上手く、なおかつ説得力があり、オーマンディの併せ方も見事というほかはないだろう。

低音域の多用と曲の雰囲気からソリストによっては重たい音楽になってしまいそうな曲だが、ヨーヨー・マの軽やかで、自然に流れていくようなチェロ独奏は、この曲の本来の姿だと思われるショスタコーヴィチ独特のクールさや、シニカルな感じをうまく表現している。

ここには、旧ソ連時代の鬼気迫る暗い雰囲気というような要素はないが、このようなノーマルなアプローチにより、かえってショスタコーヴィチの高踏的な芸術を色眼鏡を通さずにダイレクトに味わうことができるといった点も考慮に入れておきたい。

本盤はSACDでも出ているが、SACDにしては音質はイマイチ。

これに対して、Blue-spec-CD2は、あくまでも筆者の印象ではあるが、SACDよりは多少音質が改善されたのではないかと思われる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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